エッセイスト菊池木乃実のブログです。環境活動家の夫、ポール・コールマンと共に南米チリのパタゴニア地方に在住。ホリスティックで持続可能なライフスタイル実践中


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フランスで思ったこと ~ 永遠に変わり続ける庭

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スイスのローザンヌでIOCに手紙を渡したあと、国境を越え、Aix Les Bains というフランスの街へ行きました。

アルプスの山と湖に囲まれた小さな街です。

街の中心に手ごろなホテルを探し、一息ついてから、ひとりで湖を目指して散歩に出かけました。日曜日だったので、湖にはたくさんヨットが出ていて、見物客の家族づれがたくさんいました。湖岸にそってプラタナスの並木道があり、ベンチにカップルや家族が座っています。並木道沿いには蚤の市のようにアクセサリーやお土産を売っている店が並んでいました。

湖畔をずっと歩いて行くと、こんもりとした森があり、それを抜けると、住宅地の真ん中にぽっかりと残してある空き地にたどり着きました。周りを見渡すと、豪華な家が立ち並んでいますが、私が立っているところだけ、ぽっかりと草地になっています。

なんで、こんなところに草ぼうぼうの空き地が??と思っていると、きちんと看板があり、「この土地は、生物多様性を守る為に保護されています」と書いてあります。そして、一見、ただの「草ぼうぼうの空き地」と見えるところに、なんと数百種類のハーブ類、草花類、鳥類、昆虫類などが暮らしてあることが説明してありました。

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しばらく、草の上に座って鳥の鳴き声を聞いていました。すると小さな虫達が見えてきました。何種類もの虫達が、草花の上を這っていました。

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次第にミツバチが見えてきました。

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じっと座っていると、私は生き物の王国の中にいるのだということがわかってきました。

そのときの、幸福さといったら。

ああ、これをずっと求めていたんだ。自然の中にとっぷりと浸ること。その静けさと蜜のような甘い気持ち。
どれぐらい座っていたでしょうか。ただ、空き地に座って虫たちを眺めていることが、うれしくて、たのしくて、ふと気づくと、もう夕暮れが迫っていました。

そろそろ、帰ろうか。立ち上がって、ふと、夕暮れの中で動くものがあるので目をやると、二匹の野ウサギが立ち上がって、こちらをじっと見ていました。

ウサギ!

静かにカメラを取り出して、映像を撮ろうとレンズを向けると・・・やっぱり、ウサギは素早く察して、林の中に逃げていってしまいました。

ウサギはどこに逃げたんだろう。ウサギたちのいた場所に歩いていってみると、地面に赤い実がたくさん落ちていました。そばに大きな木があり、見上げると、たわわに、サクランボがなっています。地面に落ちているものは、真っ赤に熟して美味しそうです。拾って、蟻が中にいないかどうか確かめて口の中に入れました。

甘い!!!

次から次へと拾って口に入れました!美味しい!美味しい!

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10個ほど口に入れて気が済んだので、あとはポールのために拾ってポケットに入れました。少し歩くと、今度は黒いサクランボの実がたくさん地面に落ちていました。

美味しい!!!!!これも、ものすごく美味しい!

熟してぽとりと落ちるまで木になっていたサクランボの味は、味が濃くて、本当に美味しい。

空き地って、無駄な土地。役に立たない土地。売れない土地。私が子供のころは、空き地と言えばそんな印象がありました。でも、実は空き地に、豊かな命や自然がたくさん宝物のようにあるってことに気がつきました。

私たち人間が住む場所が必要なのと同じように、私たちの仲間、私たちと同等に生きている小さな虫や鳥やミツバチやウサギたちにも住む場所は必要ですよね。シンプルなことだと思います。そのシンプルなことをやっているAix Les Bainsの人たちは、粋だなって思いました。

この空き地の名前、なんだと思います?
今、辞書で調べてみたら・・・

「Jardin Vagabond」→「永遠に変わり続ける庭」ですって。

素敵ですね~♪
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by lifewithmc | 2009-07-17 23:25 | 地球2009