エッセイスト菊池木乃実のブログです。環境活動家の夫、ポール・コールマンと共に南米チリのパタゴニア地方に在住。ホリスティックで持続可能なライフスタイル実践中


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心優しき中国の人々

今日は、阿婆角で木を植えた次の日から5日連続で起こった不思議な出会いについて書きます。

その1
阿婆角から稔山(Renshan)という町へ向かって歩いていた時のこと。木陰で休もうとバックパックを下ろすとたくさんの人が集まってきました。道路を作っている人たちです。そのなかに英語の話せる男の子がいたのでポールが、「水をもらえませんか?」と聞くと、その男の子はダッシュで通りの向こうへ走って行きました。どこから水を持ってくるのかと思って見ていると、なんと、向かいのお店から水を買ってきてくれたのです。お金を払おうとしても受け取ってくれませんでした。木を植えながら北京まで歩いていることを話すとみんな応援してくれ、いつまでも手を振り、私たちを見送ってくれました。
(写真1に写っている皆さん)

その2
次の日は、吉隆(Jinlong)という町へ向かって歩きました。蒸し暑かったので、町へ着くまであと3キロというところで水を飲み尽くしてしまい、「ああ、冷たいココナツミルクが飲みたい」などと思いながら歩いていると、白い車が止まり、20代前半の男性が水のボトルを2本くれたのでした。不思議に思いながらもありがたく水を受け取り、冷たい水を飲み干しました。ところが、それから1キロほど歩くと、さっきと同じ白い車が道に止まっているではありませんか。あれ、さっきと同じ人かな、と思っていると、同じ男性が、車の中から飲み物がたくさん入った袋を私とポールにくれたのでした。袋の中には、ココナツミルク、ヨーグルトドリンク、甘くて冷たいお粥が入っていました。ココナツミルク!まるで私の心を読んでいたみたいです!お礼を言って、握手をすると、彼は笑顔で走り去って行きました。とても不思議な出会いでした。

その3
次の日、今度は道端で休憩していると、バイクで通りかかった人が、「ハロー!」と笑顔で声をかけてきました。その人は、何かいろいろと話しかけてくれるのですが、私もポールもさっぱり言葉がわからないのでニコニコしていました。すると、彼はバイクの荷台に積んであった箱から大きなボトルを取り出し、ポールを手招きしてそれを手渡し、髪の毛を手でくしゃくしゃかき混ぜる仕草をして走り去って行ったのでした。くれたのは、なんとアロエのシャンプーでした。「これで、頭を洗ってさっぱりしてください」ときっと言ってくれたのでしょう。これも、ありがたくいただきました。

その4
翌日は、とても長い1日でした。20キロ歩いて日暮れと共にHoumenという町に着いたのですが、そこにはホテルがなかったのです。そこで、仕方なく次の町まで、あと15キロ歩くことにしました。「夜中の12時までには着くだろうから、ホテルは見つかるよ」とポール。しかし、かなり二人とも疲れていて、たびたび、道端に座って休憩しながら歩きました。

午後10時頃だったと思います。道端で休憩していると、若い男の人が突然、暗闇の中から出てきました。どうやら、道の向こうに畑があり、2,3人男の人がいて、何かをしているようです。「何だろう」と興味深々で見ていると、その男の人は畑の中へ入って行き、また、すぐに畑から飛び出してきて、ポールに何かを手渡しました。なんと、それは、赤くなったばかりのトマトでした。「食べてください」というような仕草をして、男の人は畑の中へ消えて行き、今度はあと2つトマトを取ってきて、私にもくれました。夜の10時にトマトを取っているとは、不思議なことだと思っていると、彼は身振り手振りで「この道をまっすぐ行ったら、大きな町があるから、もう遅いからそこでホテルに泊まったらいい」というようなことを言って去って行きました。

普通はそこで話は終わりです。でも、この人は違いました。私たちが歩いていると、後ろから自転車で追いかけてきたのです。「???」不思議に思いながら観察していると、彼は自転車を降りて私たちと一緒に歩き始めました。彼は、一生懸命、ポールに話しかけています。言葉がわからないながらも、どうやら、彼は次の街にあるホテルまで私たちを案内してくれるらしいということがわかったので、信じてついていくことにしました。

あと3キロ、あと2キロ、あと1キロだから、頑張って、と、彼は1キロ過ぎるごとに説明してくれます。どうやら、この道をよく知っているようです。へとへとになりながら、ついていくと、ようやく午後11時半を回った頃、Meilouという町に辿り着きました。彼は私たちをホテルへ案内してくれ、ちゃんとお腹が一杯になるように食堂へも案内してくれ、食事をご馳走しようとすると、「お腹空いていないから」と言って食事もせず、ビールを勧めてもビールも飲まず、筆談で「お名前は?」と聞くと、「名前は重要ではありません。私は普通の中国人です。誠心誠意あなたたちを助けたいと思っただけです」と言いました。彼は、この町に住んでいて、ホテルのすぐ近くに家があると言っていました。結局、彼は私たちをホテルへ送り届けると、「再見!」と言って自転車に乗って去って行きました。

その5
次の日、今度はMeilouからHaifengへ向かって歩いていると、10代の男の子が英語で話しかけてきました。彼は香港から引っ越してきたそうです。私たちが、北京まで歩いているというと、とても驚いて、「何か飲み物を買ってきてあげます。待っていてください!」と自転車で走り去って行き、どこからか水を買ってきてくれました。その日は車の激しい国道沿いを歩いていて、水を買える様な店が見つからなかったので、彼が自転車で水を買ってきてくれたのは、本当に助かりました。(写真下に写っている男の子たち)

この5日間の出会いは、本当にとても不思議な出来事でした。もしかしたら、困った時には、こうして神様が私たちに助っ人を送ってくれるのかもしれません。きっと彼らに会うことは、二度とないのだろうと思います。でも、こうした人々との触れ合いは、一生忘れないと思います。ありがとう、心優しき中国の皆さん!!
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by lifewithmc | 2007-10-19 22:02 | 中国・徒歩の旅