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エッセイスト菊池木乃実のブログです。環境活動家の夫、ポール・コールマンと共に南米チリのパタゴニア地方に在住。ホリスティックで持続可能なライフスタイル実践中


by lifewithmc
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またしても、牛を追う

12月14日(木) 晴れ

今日は、家の前の小道に牛の群れがやってきた。見たことのない初めての群れ。群れと言っても、大きな父親牛と母親牛、それに、子牛の3頭。牛追いの人たちが二人、牛の群れの後ろから歩いてくる。テラスの上から見ていると、たったの3頭だけでも、ものすごい勢いで道沿いの藪をなぎ倒していくのがよくわかる。

牛たちが食べるのは、ほんの少しの、ある特定の草だけらしく、それを食べるために、藪をなぎ倒し、花をなぎ倒し、小さな木をなぎ倒して、ずんずんと進んでいく。たかが藪・・・と思うかもしれないけれど、毎日、観察している私たちにとって、そこは、何種類もの鳥が住む場所であり、鳥たちの餌になる虫たちが住む場所であり、水をやりつつ花を育てている場所でもある。たしかに、公共のフットパスではある。私たちの敷地ではないけれども、だからと言って、目の前で無残に草花がなぎ倒されていくのを見ているのは、忍びない。

「どうしようか」
「彼らは、初めてだし、ここを通っていくだけかもしれないから、様子を見てみよう」
しばらく様子を見ていると、まるで戦車が通った後のように無残にも藪がなぎ倒され、ポールが毎日、水をやって観察していた黄色い花と紫の群集が、見事に踏み潰されていた。

「ううーん。あまりハッピーな光景ではないね」
牛たちは、通り過ぎて行き、しばらくして、また、戻ってきた。台所の窓から、彼らが、ワシワシとそこら中の藪をなぎ倒している音が聞こえる。
「言ってくる」
ポールが出て行って、牛追いの人たちに話をした。

すると、彼らは牛を連れて他へ行き、もう戻って来なかった。

そして、後には、なぎ倒された藪だけが残った。
by lifewithmc | 2007-04-16 08:36 | メキシコ・山の暮らし