エッセイスト菊池木乃実のブログです。環境活動家の夫、ポール・コールマンと共に南米チリのパタゴニア地方に在住。ホリスティックで持続可能なライフスタイル実践中


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地球が喜んでいる

10月20日(金)晴れ

9時起床。テラスでコーヒー。朝食は、パパイヤ、フライドビーンズ、オリーブオイルと海の塩をつけて全粒粉のパンを食べる。その後、テラスに落ちた枯れ葉と泥を洗い落とす。

このところ、毎日のように、夕立がある。雨が降ると、ポールは喜ぶ。
「花も木も喜んでる、よかった、よかった」

ポールと知り合う前、OLをしていた私にとって、雨は鬱陶しいだけだった。雨が降ると、「ああ、雨か」と憂鬱な気持ちになったものだ。買ったばかりのハイヒールが濡れるとか、電車の中で傘を折りたたむのが面倒くさいとか、ランチを食べる場所がなるべく濡れない、会社に近いところに限られるとか、そういう理由で、だった。

沖縄を歩いていたときにも、雨が降った。いつもの癖で、私が「ああ、雨か、いやだなあ」と思っていると、ポールが「ああ、雨だ。よかった。地球が喜んでいる」と言ったのだった。そのとき、とても驚いて、とても恥ずかしい気持ちになった。
「僕は雨が降らないようにと祈ったことはないんだ。雨は、木や花や地球にとって必要だからね」ポールがそう言うのを聞いて、なんと私は、自分のことしか考えない心の狭い人間なんだろうと思ったのだ。

それから、雨が降ると、私も、「地球が喜んでる」と素直に雨を喜べるようになった。雨はいやだ、と思っていた頃に比べると、ものすごく人生が明るくなった気がする。

テラスの掃除を終えると、2階の寝室の床を全部ブラシで掃いて、モップがけをした。一昨日の朝以来、ネズミは戻ってきていないようだ。掃除し残したネズミの糞をきれいにするために、1階のリビングルームと台所も、掃き掃除とモップがけをすると、空気がきれいになった感じがした。ポールは、バスルームと玄関前のポーチを掃除。昼食に、サボテン、ジャガイモ、タマネギ、ニンジン、インゲン、黒豆、オレガノ、ニンニクを煮込んだシチューを作る。ポールのアイディアでココナツミルク、コリアンダー、醤油を入れると、こくが出て美味しくなった。あまりにも美味しくて二人とも食べ過ぎる。

家が広いので掃除に4時間もかかったが、きれいになって気持ちがいい。
夕方、ミントティーを飲みながら、夕暮れをぼんやり見つめ、リラックス。山の端から空へ向かって、オレンジ、ピンク、紫に染まっていく。日が沈むと、東の山と山の間から美しい白い月が出てきた。日が落ちたので、ベッドルームへ入って本を読む。私は、グァテマラのインディアンの村でシャーマンのイニシエーションを受けたアメリカ人の男性の自叙伝。ポールは、ネルソン・マンデラの自叙伝「LONG WALK TO FREEDOM」を読む。「南アフリカを歩いたときのことを思い出す」、と、彼はうれしそうに本を読んでいた。

夜、とうとうネズミ捕りをしかけて寝る。ネズミ捕りは、プラスチックの板に強力な接着剤が塗ってある、というもの。ネズミが通れば、一発でくっついて、逃げられない・・・らしい。「万が一、間違って足や手がくっついてしまったら、アルコールではがしてください」と書いてある。
「これ、ネズミがくっついても、死なないよね」と私。
「死なないと思うよ」
「じゃあ、どうする?」
「もし、ネズミがこれにくっついたら、なんとかして、家から離れたところへ連れて行って、逃がすことにしよう」
二人とも、どうしても、動物を殺すのは、いやなので、何とか、ここままどこかへ行ってくれることを祈りつつ、寝る。
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by lifewithmc | 2007-03-03 07:44 | メキシコ・山の暮らし