エッセイスト菊池木乃実のブログです。環境活動家の夫、ポール・コールマンと共に南米チリのパタゴニア地方に在住。ホリスティックで持続可能なライフスタイル実践中


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6月15日

午後11時の飛行機でチューリッヒへ。

その前に関空から飛び立つのだから大阪のまーちゃんうぽーに会って行こうと、まーちゃんの事務所へ。まーちゃんが大阪日日新聞の記者さんを呼んでくれ、南山のことをワンフェスの活動などと絡めて、記事にしてもらおうということでインタビュー。

前の日に、稲城の井上さんや内田さんから預かった手紙も事務所で印刷してもらって、準備万端、関空へ向かいました。

飛行機の中では、ひたすら英訳に専念!

フライデーの記事、井上さん、内田さんからのお手紙。稲城市の作文コンテストで最優秀賞を取った中学生の作文、内田さんが南山で開いている自然学校『元気塾』で実施した200人からの署名の中から抜粋して数十名からのメッセージ、それと、『平成狸合戦ポンポコ』の高畑勲監督からのメッセージも。

飛行機は、エミレーツ航空だったので、10時間後にドゥバイに到着。
乗り継ぎまでの時間、ロビーでひたすら爆睡。

6月16日

ドゥバイからチューリッヒ行きに乗り、チューリッヒに到着したのが、午後1時。

そこから列車でローザンヌまで、2時間ぐらい。列車はスムーズで快適。

ローザンヌに着いて、とりあえず、ポールがホテルを探しに行くと、30分後に戻ってきて

「観光案内所で聞いたら、今週は、3つも大きな会議が開かれていて、どこも満室。ホテルは一つも空いていない。列車で30分の隣り町へ行けば、空いているホテルがあるかもしれない」とのこと。

仕方がないので、電車に乗って30分の Yverdon Les Bains という町へ。

しかし、町に着いて見ると、ホテルが見つからない!
ポールは、また、1時間歩いてやっと一つ空いているホテルを見つけてきてくれた。

木々に囲まれていて、芝生と花壇があって、とても美しいホテル。鳥の鳴き声が聞こえる。旅の疲れを癒すには、緑に囲まれるのが一番。

とりあえず、ほっとした。

6月17日

朝食を取ってから、フライデーの記事の英訳をポールにネイティブチェックしてもらう。

列車でローザンヌへ向かい、観光案内所でIOC本部の場所を聞き、「今日と明日、2016年のオリンピック開催地を決めるための会議が開かれているんだけれど、知ってる?」と聞くと、「知らない」との答え。「記者などが行くプレスセンターなどはあるか?」と聞くと、それも「知らない」とのこと。

「観光客はIOC本部には入れないので、IOC博物館をお勧めします」と言われ、「観光客ではなくて、IOCのスタッフに会いたい」と言うと、「先にアポを取らないといけないと思う」と電話番号をくれた。

とりあえず、IOC本部に行くことにして、歩いていく。

IOC本部は、レマン湖畔の森に囲まれたグリーンなエリアにあった。塀も何もなく、建物の裏側にはレクリエーションができる芝生の広場があって、親子連れが遊んでいた。でも、建物自体は、真っ黒でなんだか要塞のようで、冷たい感じ。3階建てか、4階建てぐらい。警備が厳しいかと思っていたが、警備員などはいない。しかし、よく見ると、自動ドアの脇にセキュリティーカードをスライドして、暗証番号を入れるようなマシンがついている。

「IDカードみたいなものを持っていないと入れないのか?」と思っていると、ドアが開いて男性が一人出てきた。入れ替わりに男性が一人入って行く。入っていく人は、カードをマシンに入れたり、暗証番号を入れたりしている様子もない。さらに観察していると、もう一人、男性が何のチェックもなく、自動ドアが普通に開いて建物の中に入っていった。

思ったよりオープン(!)と、ほっとして自動ドアから入ると、受付があった。

「2016年オリンピック委員会の方にお会いしたいんですが」とポール。
「今日は会議で全員、出払っています」と受付の女性。
「日本から大切な手紙を預かっているんです。東京オリンピック招致に関することです。どなたかと、会う約束をしたいんですが」
「では、こちらにお電話ください」
「どなた宛にお電話すればいいですか?」
「とにかく、こちらに電話をして、今おっしゃったことをそのままおっしゃってください」

もらった電話番号は、観光案内所でくれた番号と同じだった。

ともかく、全員、会議でいない。当然、石原都知事が出席している会議。
どこで開かれているかは、わからない。IOCの本部のロビーは空っぽのアートギャラリーのような雰囲気。あまり人気もない。会議が開かれているのは、他の場所なのだろうか?

受付まではオープン。誰でも入れるけれども、受付から先は見えないバリアが張られているようで、冷たい雰囲気。これ以上、受付の人と話をしても無駄なようなので、明日、電話をしてみようと、その日はレマン湖畔を散歩して帰った。

IOC本部の周りは、並木道もあり、小さな森もあり、緑がたっぷりだった。

6月18日

チャレンジ2日目。

朝食後、高畑勲監督の手紙も英訳したので、内田さんの手紙、井上さんの手紙、中学生の作文も全部、ポールにネイティブチェックしてもらう。

ホテルから、IOCの本部に今日は私が電話。

「2016年オリンピック委員会の方とお話したいのですが」
「どなたですか?」
「きくちこのみです。日本から来ました」
「委員会のメンバーは、全員、会議で出払っています。2時に戻って来るので、2時以降にお電話いただけますか?」

うーん。

とりあえず、ローザンヌまで行き、英訳した手紙を全部、コピー屋さんでプリントアウト&コピーをする。封筒を買って、国連NGOのパスウェイ・トゥー・ピースのレターヘッド(ポールが顧問を務めている。今年の1月にサンフランシスコのオフィスを訪ねた時に、自由に使っていいですよともらってきた、金色のロゴが入っている素敵なレターヘッド)に、手書きでポールが、IOC宛てに手紙を書いた。

その手紙も添えて、英訳した手紙を封筒に入れ、「2016年 オリンピック委員会宛て」と書いて、封をした。

2時過ぎ。再び電話。

「2016年 オリンピック委員会の方と話したいのですが」
「どのようなご用件ですか?」
「私はオリンピックに関する手紙を日本から預かって来ました。わざわざ、手紙を手渡しするために飛行機で飛んできたのです。手紙をお渡しする方法はありませんか?」
「では、メールで送ってください」
「あの、手渡ししたいのですが」
「ああ、それでもいいですよ」
「昨日、本部まで行ったんです。そうしたら、ここへ電話してくださいと言われました。わざわざここまで来たんですから、本部へ行って手渡ししたいんです」
「それじゃあ、受付に渡してください」
「どなた宛てですか?」
「2016年オリンピック委員会宛てにしてください」
「それでちゃんと届くんですか?」
「心配しないで。ちゃんと届きますよ」

ということで、再び、手紙を持って、IOC本部へ。ローザンヌの駅から地下鉄を乗り継ぎ、歩いて本部まで行く。

本部の前には昨日と違って、警備の人がいる。
黒塗りで中が見えない車が何台か止まっている。
日本人らしき女性が、黒塗りの車に乗っていく。
本部の入り口の前にもパイプ椅子が出ていて、日本人らしき男性が座って何かをメモしている。

物々しい感じ。
本部の前では写真やビデオを取ったりできない雰囲気だったので、少し離れたところで写真とビデオを撮る。

そして、本部へ。自動ドアをくぐる。受付に女性が二人座っている。ロビーには、昨日と違って、いろんな人が行き来している。

ボンジュール。

この手紙を東京と日本の人から預かってきました。

2016年オリンピック委員会の方にぜひ渡してください。

封筒を渡す。

ウィ。

と言って、受付の女性が封筒にバシッと音を立てて受領印を押した。

それを見届けて、建物を出る。

外にはまだ黒塗りの車が出入りしている。

手紙は必ず、2016年オリンピック委員会の手に渡ると思う。そして、必ず、誰かが読むと思う。

これは、地球の問題だとポールは言う。

南山は、今の地球の問題の縮図だ。

意味をなさない環境破壊は、地球上のあらゆる場所で起きている。

だから、南山のように小さな場所でも救うことがとても大切なんだ。

南山を救うことができなかったら、どうして地球を救うことができるだろうか?

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by lifewithmc | 2009-06-28 17:48 | 日本の環境
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(c)スタジオジブリ 『平成狸合戦ぽんぽこ』

ジュネスさんとポールの全国講演ツアーも大成功に終わり、なんと最後の京都では、人が集まらないかも~と弱気になっていたにもかかわらず、80人ぐらいの人が来てくれて、参加費から経費を引いた額が、講演料+交通費+ホテル代=ぴったり!!予定どおりの数字!という奇跡も起こりました。

全国10ヶ所の講演会を主催してくださった皆様、本当にありがとうございました。

東京には、宮田祐次君のご両親が、江ノ島には、中渓宏一くんのご両親とお姉さん夫婦が来てくださって感激しました♪

そして、昨日は、土嚢建築(アースバック建築)の第一人者、天理大学の井上昭夫先生と建築家の渡邊菊真さんを訪ねました。パタゴニアで作る予定のアースバックホームのデザイン(二人で手描きしたもの)を見ていただいて、それが実現可能であることもわかって、がぜん、さらにやる気が湧いてきました。

井上先生は、アースバックで東アフリカにエコビレッジを作る構想を進めていて、今年の8月にウガンダにもう一度行ってエコビレッジ作りをされるそうです。

ということで、講演も終わり、ほっと一息か?と思いきや、なんと、明日の夜は関空からスイスに飛びます

17日、18日にスイスのローザンヌにある国際オリンピック委員会で、石原都知事が東京にオリンピックを招致するためにプレゼンをするので、それに合わせて現地に行くんです。

なんだか、すごい流れですね~。稲城の南山に5月2日に木を植えに行って、『森を守ろう~♪』って踊っていたら、スイスに行くことになってしまいました

そうです。稲城の南山に住むタヌキたちと絶滅危惧種のトウキョウ・サンショウウオと森の生き物&木々たちを代表して、国際オリンピック委員会のみなさんにメッセージを伝えに行くんです

どうして、スイスに行くことになったのかは、このビデオを見てくださいね。

日本語、聞き取れるでしょうか?

日本語のテキストも下に書いておきますね。

では、行ってきま~す♪
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石原知事定例記者会見録
平成21(2009)年5月29日(金)

【知事】6月14日から20日までの出張期間で、スイスのローザンヌでのですね、IOC(国際オリンピック委員会)に対するブリーフィング(要点説明)に立候補都市として出席します。これ、あの、前はなかったんですがね、ロゲ会長(ジャック・ロゲ 国際オリンピック委員会会長)の代になってね、審査に手を尽くすということで、こういうことになったらしいんですがね。しかし、説明を尽くして、それを本当にベースに評価されればありがたいんだけど、なかなかこの選考ってのは、もっと難しい問題が絡んでくるみたいで、いずれにしろですね、当地ではブースを設置して、IOCの委員やですね、マスメディアにいろいろ説明をいたします。

(中略)

【記者】オリンピック招致でですね、海の森を整備する一方でですね、同じ規模の東京近郊最大の里山の南山をですね、つぶしてニュータウン開発せよという事業に都が48億円投入しようとしている(稲城市・南山東部土地区画整理事業)と。これが環境オリンピックと矛盾するんではないかと。国連の、あの…。

【知事】あなたね…。

【記者】平和大使のポール・コールマン(環境活動家)さんが手紙でオリンピック招致のマイナスになるんではないかという手紙を知事あてに送られているんですが、南山開発に対するご見解、あるいは…。

【知事】東京のことをよく知らない外国人がね、口を入れてくるのは、あなた自身がだな、要するにその人間に肩持ってものを言うならね、東京の10年計画(緑の東京10年プロジェクト)ってのは知ってるのかい、緑に関する。

【記者】ええ…。

【知事】知ってる?

【記者】いや、里山開発について…。

【知事】いや、だからだね、たまたまオリンピックと重なっているけれどもだな、東京は2年前から10年計画でね、緑を増やしてますよ、ね。しかし、この里山はあなた行ったことあるの?

【記者】はい、行きました。で、「フライデー」で記事も書きましたが、スタジオジブリの高畑(勲)監督も、外国人だけじゃなくて、日本人のスタジオジブリの高畑監督もこの計画はおかしいと。石原知事は海の森をつくる一方で、何で今の里山を破壊するのかと、矛盾しているというふうにご指摘になっているんですが。

【知事】里山に対するね、周りの住民のノスタルジー(郷愁)というのはありますよ。ただね、里山がね、魔の山になっちゃ困る。既にあそこで子どもがね、2人生き埋めになって死んでる。ね、あそこで砂をとっててね、その後が荒廃したままね、民有地ですからね、これはやっぱりね、持ち主がね、手を入れないためにですね、どんどんがけ崩れが起こってね、

その後、しかも1人が生き埋めになって、これは気がついた人早かったんで救出したわけでしょう。そういう事件が次々と起こればね、周りの人間って不安だしね、これはやっぱり合理的にですね、要するにトリム(手入れ)してですね、活用するっていうのは当然の行政の責任でしょう。私はね、あの計画は間違ってないと思う。

しかもですな、周囲の住民のね、多数の合意を得て行っているプロジェクトですから、私はね、緑は増やすべきだと思うけど、同時にですね、放置したままでね、人を殺すような山林ってものは、私はね、やっぱり危ないと思います。あなたにぜひ見てもらいたい、この問題。

(注:これは、後日、地元の方に確認したところ、昭和40年代の話で、子供たちは貯水池で遊んでいて亡くなったそうです)

 例えばね、東京の水源地であります森林ありますよ、三多摩の。これが民有地のためにね、手を入れることできずにね、持ってる人だってお金かけるの損だから、そこがどんだけ荒廃しているかね、必要だったら今度ヘリコプター飛んで見せてあげるけど、やっぱり緑はね、トリムを、手を入れなかったらだめなんだ。放置しただけだと、やっぱり子どもを食い殺すことになる。私はこの計画は結構だと思います。

【記者】いや、その辺は知事がリーダーシップをとって整備しながら環境保全を両立する代替案の検討とかですね、とりあえず現地を見て、今の現況を把握されるということはなさるご意向はないんでしょうか。

【知事】私は知ってます、現地。見てます。

【記者】その上でも今の計画を見直す必要はないというふうに…。

【知事】いや、だから、あの、山のあの荒廃を見たらですね、周りの人たちが不安に思うのは当たり前じゃないですか。ね。だから、私はね、合理的にあれをですね、要するに再生されるということでね、あのプロジェクト間違いないと思いますし、あそこにはですね、保育園をつくるとかね、介護施設でもつくるとか、そういったことでね、あの土地はね、あの地域としてやっぱり再生されて生きていくんじゃないですか。

【記者】ポール・コールマン氏は国際オリンピック…。

【知事】いや、ポール・コールマン、知らないわ、外国人は。どうでもいいんだ、そんなのは。

【記者】国際オリンピック委員会にも直訴すると言って、おっしゃっていますが、マイナスにならないというふうにお考えになっているんでしょうか。

【知事】いや、それはこちらはこちらでですね、質問があったらちゃんと説明いたしますよ。

【記者】はい、わかりました。

【知事】で、ま、オリンピック委員会ね、どういう人がそれを受けるか知らないけれども、だから、来て見てみりゃいいんだよ、それをもって東京の是非を判断するんだったら。

【記者】いや、ロードレースのコースになってですね、里山破壊の赤茶けた斜面が映像で映し出されて、環境先進都市だ、東京だと思っていたら、環境破壊都市だったと、世界中に発信するということになりませんか。

【知事】だから、物事は完成されてから見てもらいたいんだ。やっている途中は、そりゃはげちょろけだろうよ。一体だれの立場でもの言ってるんだい。住民なのかそれとも何人なんだ、君は一体。もういいよ。

 はい、次、質問どうぞ。

(テキスト版文責 知事本局政策部政策課)

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by lifewithmc | 2009-06-15 01:25 | 地球2009