エッセイスト菊池木乃実のブログです。環境活動家の夫、ポール・コールマンと共に南米チリのパタゴニア地方に在住。ホリスティックで持続可能なライフスタイル実践中


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<   2007年 03月 ( 36 )   > この月の画像一覧

美しい滝

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11月19日(日)曇り時々雨 寒い

グロリアが来る。10月、11月と2か月分の電気代を村にあるお店に払いに行く。電気代は、2ヶ月で、なんと、45ペソ(約530円)!「私もかなりエコなほうだけど、その倍は電気を使ってたわ。あなたたちは、超エコね!」と驚かれる。特に、電気を節約していた覚えはないのだけど、テレビもステレオもないし、ドライヤーもないので、自然と電気を使わないのかも。

そのあと、エトラのマーケットの中にある食堂でランチ。お母さんと娘の二人だけでやっている定食屋さんという感じのお店で、3人分で54ペソ(540円)!!と格安だった。いつも行っていたレストランが満席だったので、マーケットの中にたくさんある食堂の一つに入ったのだけれど、こちらのほうが美味しいし、お母さんは愛想がいいし、値段はレストランの3分の1だし、違いといえば、レストランは陶器の食器、食堂はプラスチックの食器というくらい。それをポールに言ったら、「え?プラスチックだった?」と彼はその違いにさえ気づいていなかった。これからは、安くて美味しくてフレンドリーな食堂で食べることにする。

それから、グロリアがWakamayaという村に連れて行ってくれた。エトラから山を2つ越えたところにある村。標高2000メートル以上はある。松の原生林を抜けていくと、山の上に小さな集落があり、斜面に点々と小さな家が建ち並んでいる。雲が山にかかっていて、空気が澄んでいて、とても気持ちがいい。霧雨がスプレーのように顔にかかる。滝を見た瞬間、私は磁石のように引き寄せられ、滝の前に座った。まるで、私のなかにある心配が、滝の力溢れる水しぶきによって砕かれていくようだった。

帰りは、ただ、ただ、松の原生林を見て、「ああ、幸せだ」と、完全に満足して、至福に浸っていた。すると、松の枝に大きな鳥が止まっているのが見えた。その鳥はオウムのように大きく、頭と背中は、松林と同じ深い緑で、首の下がまるで「よだれかけ」のように半円、白く、お腹が鮮やかな赤の、とても美しい鳥だった。それから、美しい青とグレイ、緑のグラデーションのアオカケスを何匹も見た。自然からもらうインスピレーションは、なんと素晴らしいのだろう。

その夜、なぜか、無性に家族に感謝の気持ちを伝えたくなり、父、母、妹、妹の旦那さんに感謝のハガキを書いた。
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by lifewithmc | 2007-03-28 09:13 | メキシコ・山の暮らし

プロポリス・パワー!

11月18日(土)曇りのち雨 寒い

今日も朝、少し青空が出ただけで、どんよりと曇っている。気温は低い。寒い日は、今日で3日目。太陽が出ないので、ハチドリもやって来ない。

4,5日前からプロポリスを毎日摂り始めた。メキシコのマーケットで売っているプロポリスは、真っ黒でドロドロしていて、日本で売っているプロポリスとはかなり違う。なめてみると、とても甘い。しかし、一瓶に200CCぐらい入っていて、なんと40ペソ(400円)と格安!プロポリスは、体内に抗生物質を作ってくれるというので、ポールに薦められ、朝、昼、晩の1日3回、小さなスプーンに1杯ずつぐらい舐めるようにしてみた。

すると、なんと、効果が現れた。今朝、黒ハエに刺されたところが、あっという間に直ってしまったのだ。今までは、刺されるとかゆみが何日も続き、刺された跡は何週間も消えなかった。それが、今まで消えなかった跡はどんどん消え始め、刺されてもすぐに癒える、という驚くべき効果!さすが、プロポリス!

それに加えて花粉も食べているので、ヘルシー。花粉はミネラル、ビタミン、酵素、プロテインなどをふんだんに含んだ「スーパーフード」なのだそう。砂漠で迷子になっても、花粉があれば何日間も生きられるそうだ。

「もし、ここに何年も住むんだったら、僕は蜜蜂を飼う」とポールは言う。ここは、まだまだ、野性の花がたくさんあるので蜜蜂にとってはパラダイスなのだ。
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by lifewithmc | 2007-03-28 09:11 | メキシコ・山の暮らし
11月17日(金)曇りのち雨 寒い

2日間、ヨガをしなかったので、身体が硬い。それに、だるいし、重い。でも、今日、ヨガをしたら、最初のポーズ(太陽の礼拝)をしただけで、首はゆるみ、身体がすっきりしてくる。ヨガは私のライフワークになりそう。「なるほど、人生は、心と身体を使った実験なんだ」と納得する。

ヨガの後、昨日と同じ「マジカル・サイレンス」のメディテーションをする。5分ぐらいで身体が重くなり、リラックスする。すると、今日は、こんな言葉が浮かんできた。

「これからは、より少ない食べ物で、もっとエネルギッシュに生きられるようになるので、心配ない。もっと進化した人たちは、水、空気、太陽の光だけで生きられるようになる」

このほかにも、いろいろなメッセージが浮かんできたけれど、なかでも「もっと少ない食べ物で、もっとエネルギッシュに生きられるようになる」というのが、気に入った。

「進化した人たちは、水と空気と太陽の光だけで生きられるようになる」というのも、わかる気がする。

私が生きている間には、そこまでは進化しないかもしれないけれど、明らかに、大きな動物を食べる人たち(肉食の人たち)から消えていくような気はする。やっぱり、最後は野菜や果物、木の実なんかを食べる人たちだけになって、それから、水と空気と太陽の光だけで生きられるように進化していくのかなあ。

そしたら、地球にも他の生き物にも負担がかからないし、排泄物も出なくなるので、かなりエコロジー!!これは、素晴らしい未来型の人間像では??・・・と思うのだった。
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by lifewithmc | 2007-03-28 09:09 | メキシコ・山の暮らし

不思議な体験をする

11月16日(木)曇りときどき晴れ、のち雨 寒い

7時40分にスッキリと目が覚める。何回か見たことのある夢をまた見る。はっきりとしていて、つじつまが合う、シリーズ仕立ての夢。

外は曇りで涼しく、気持ちのいい天気。雲の合間から時々太陽がのぞく。シャワーを浴びていると、バスルームの窓から光が差し込み、放射線状に白く光って、その中に湯気の細かい粒が踊っているのが見えた。「ああ、天上の光のようだ」とふと思う。

シャワーを終えて、コーヒーを入れていると、「昨日は、あれを経験しなくちゃならなかったんだよ」という言葉が聞こえた。いつもの音のない言葉。頭の中で響いているような、頭の上から聞こえてくるような言葉。自分の内なる声のようでもあり、どこか天上から響いてくる声のようでもある。

「自己嫌悪や自責の念、パニックに陥る、後悔する。それから、自分で責任を取り、謝って、問題解決に参加する、行動する、逃げない、人のせいにしない。そういう感情のプロセスを経験する必要があったんだ」
と声は続いた。私は急いでノートにメモを取った。言葉は、自分の無意識あるいは超意識と呼ばれるところ、どこか、心の底の深いところから出てきたようでもあったし、今まで、意識したことはなかったけれども、ずっと心のどこかで知っていたことのようでもあった。と、同時に、自分ではないどこか上の方から流れてくるようでもあったし、自分の知っていることを遥かに越えている内容のようでもあった。

要約するとそれは、こんな内容だった。

あなたは何か都合の悪いことが起こると、人のせいにして逃げてしまい、自分で責任を取ったり、問題解決に参加しないという悪い癖がある。昨日の出来事は、それを修正するための機会だったのだよ。だから、どう対応するかは、すべてあなたにかかっていて、問題が早く解決されるか、それともこじれるかは、あなたの対応次第だった。あなたはパニックになり、自分を責めたりしたけれども、結局、「自分が悪かったと認めて」「謝り」、「自分で責任を取り」、「問題解決のために行動した」。そのために、問題はスムーズに解決された。以前の無責任な態度を改め、責任を取って行動するということを学び、実践したことは、大きな精神的成長だった。実は、それがクリエーション。現実化ということ。自分の思考を変えると、現実に顕れる状況が変わる。それが、創造。肉体を持って生きているのは、感情を経験し、思考を持ち、行動し、現実を作り上げていく過程を実践するためなのだ。

そして、言葉はこう続いた。
「こういう風にしてクリエーションしていくんだよ。毎日の小さな思考、何万という志向がある程度、集まってエネルギーが強くなると、現実のエネルギーを引き寄せて、それが現実化する。今、考えること、感じることはすべて自分の現実を造るクリエーションの材料なんだ。みんなが、宇宙の創造主なんだよ。誰もが神と同じ能力を持っているんだ。生きていることそのものがアートだし、誰もが生きることでアーティストとして現実を毎日クリエーションしているんだよ。そのことに気づいて、経験したら、この地球は素晴らしい美の実現のフィールドだし、美しいエネルギーを送って、美しいものを現実化することも、何でも可能なんだ。それを実は今、すべての人が意識せずにやっているから、地球は混沌としているけれど、みんなが意識すれば、地球は変わるんだよ」

「究極の創造は自分の創造。自分の作り直しと言ってもいい。今回の人生では、あらゆる人が自分の作り直しをしていると言ってもいい。今まで自分の中で、繰り返したまってきた不純物を取り除いて、純化していく。不純物とは、欲望、恐れ、自己嫌悪、人のせいにする、責任を取らない、自分を責める、行動しない、協力しないなど、ネガティブなあなたの癖、思考、行動、言葉のことです。それらは、どんなにささいなものでもすべて不純なものは取り除かなければなりません。それらは、経験とプロセスによって肉体と感情を通って浄化されなければならないのです。100%不純な物を取り除いて、自分が100%純粋な光に戻すことが2012年までの課題です」

「純粋な光とは、私たちの本来の姿です。そうして、純粋な光になることが、究極のクリエーション。美を想像し、すべてのひとのために純粋な愛と感謝の波動を送ることが必要です。経験を通して、古い思考を純化し、新しい思考(自分で責任を取る、過ちを認める、謝る、問題解決に参加し、責任を取って行動する、痛みを引き受ける、クリエイティブなプロセスに参加する、人のせいにしないなど)によって生きることが必要です」

気がつくと1時間ぐらい、ノートにびっしりメモを取っていた。エッセイを書いていたり、小説を書いていたりすると、時々、ものすごい勢いで自分の意識を超えたところから言葉が流れてくる経験をするのだけれど、それと同じような感じだった。書き終えてから改めて読んでみると、ずっと前から知っていたことのようでもあり、どこか天からやってくるメッセージのようでもある。「ふうむ。なるほど」と納得する。
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by lifewithmc | 2007-03-28 09:06 | メキシコ・山の暮らし
11月15日(水)晴れ

朝、テラスに落ちた枯葉をほうきで掃き、ほうきを部屋の中に入れたあと、何も考えずに、ひょいとドアを閉めた。
「あ!」
顔を見合わせる、ポールと私。
「閉めちゃったの?」
「うん・・・」
「鍵は?」
「持ってない・・・・」
「ええ!!!????」
「ごめん」
「うわあ、どうする!閉め出されちゃったよ!!」

そう、ポールはのんびりテラスでコーヒーを飲んでいた。私も、落ち葉を掃いたら、のんびりコーヒーを飲むはずだった。それなのに!
テラスのドアは、オートロック。一度、閉めたら、外からは「絶対に」開かない。鍵を持っていない限り、「絶対に」開かないのだ!

鍵は家の中だった。そして、ポーチの鉄格子には、しっかり鍵がかかり、玄関ももちろん、鍵がかかっている。家のどこを探しても、全ての窓には鉄格子がはめられ、全てのドアには鍵がかかっているのだ!ああ、無常。
「この家のセキュリティーはしっかりしているから、大丈夫よ」とグロリアが言っていたけれど、本当に、どこからも家の中に入って鍵を開ける隙間などない!

「どうしよう!」ああ!心臓が高鳴り、頭に血が上り、私はパニックになる。このままじゃ、家に入れない!
すると、ポールがテラスの隅から鉄の棒を持ってきた。
「これで、こじ開けよう」
思い切り力を込めて、ドアをこじ開けようとする。しかし、そんなものでは、ドアは開かない。黒ハエが容赦なく私たちを刺しにやって来る。んもう!鬱陶しい!緊急事態なのよ!と、泣きたくなる。
ポールは靴も履いていない。私は、偶然、今日に限って、スリッパを履いていた。
「無理だな、開かない」
「うん・・・」
ポールが私のスリッパを見る。
「スリッパ履いてるよね」
「うん」
「じゃ、村へ歩いて行って、グロリアに電話をかけられるね?」
「え?・・・・・わかった、行ってくる」

お金をズボンのポケットに入れていたのは、不幸中の幸いだった。テラスの柵を乗り越え、一階の屋根の上に降り、それから、塀に降りて、地面に飛び降りた。
ああ、どうして、あのとき鍵を持たなかったんだろう。どうして、あのとき、うっかりドアを閉めちゃったんだろう、いつもは、ものすごく気をつけてるのに、どうして今朝に限って・・・と、マイナス思考がぐるぐる回る。
「行ってくるね」と力なく言うと、
「グロリアが来てくれるまで何時間、ここで待たなくちゃならないか、わからないんだから、村の店で、水とクラッカーと虫除けを買ってくるように。それから、薄くて長い金属の板があるかどうか、店の人に聞いてみて。それが、あれば、鍵が開くかもしれないから。わかったね、忘れずにね!」とポールが念を押した。

スリッパで炎天下の中、村まで歩いた。途中、川が増水していて、橋の代わりになっている石は水の下に沈んでいた。しかたなく、スリッパと靴下を脱ぎ、裸足で川を渡り、濡れたまま靴下を履いて、スリッパで歩いた。村までは、3キロぐらいある。その間、自己嫌悪でいっぱいになり、自分を責め、後悔ばかりが浮かんでくる。グロリアは、玄関の合鍵を持っていないと言っていた。だから、私に合鍵を作っておいてね、と何週間も前に言っていたのだ。それなのに、合鍵を作るのを忘れていた。だから、グロリアが来ても、玄関の鍵はないのだ!
ああ、どうしたらいいんだろう!!

なんだか、途方もなく打ちのめされたまま、村へ着いた。店でグロリアに電話をする。
「グロリア、緊急事態発生。テラスのドア、閉めちゃった。鍵、持ってない。鍵、家の中。二人とも家の中に入れない」
パニックになって、うまく英語が出てこない。でも、グロリアは、すぐに事情を飲み込んで、
「わかった。今、治療中だから、それが終わったら、すぐ鍵屋さんを連れて行くから。2、3時間以内で行けると思う。待ってて」と言ってくれたのだった。

多少、落ち着いて、店で、水とグラノラバー、クラッカー、蚊取り線香、ライターを買って、家へ戻る。「あ、金属の板のことを聞くの、忘れた」と気づいたが、店に戻る気力がなかった。その上、スリッパが擦れて、両足の裏に2箇所ずつ、大きな水ぶくれができ始めた。歩くたびに擦れて痛い。
ああ、どうしてこんなことに・・・同じ考えがぐるぐる回る。また、裸足になり、川を渡る。水を2リットル買ったので、重くて腕が痛くなる。

やっとの思いで足を引きずりつつ、家に戻ると、「金属の板、あった?」とポールに聞かれ、「聞くの忘れた」と言うと、彼は肩を3センチぐらい落とし、深いため息をついた。
「どうして、忘れたの?忘れないで、ってあれほど言ったのに。金属の薄い板があったら、鍵が開いたかもしれないんだよ」
「ごめんなさい」
パニックになり、自己嫌悪やら後悔やら自責の念やら、「ああすればよかった」「どうして、ああしなかったのか」的な自己破壊的な思考のおかげで、すっかりエネルギーがなくなり、ぐったりと疲れているところに、「どうして、・・・・しなかったのか?」と言われるのは、ものすごく辛かった。
しかし、ポールは怒っている様子はちっともなく、「まあ、しかたがない」と言い、テラスの柵を跨いで、下へ降りてきた。

蚊取り線香をつけ、日陰に入って、水を飲み、クラッカーを食べる。
私は、とにかく、申し訳ない気持ちと自分を責める気持ちで疲れ果てて、水を飲む気力もない。
「で、グロリアは来てくれるの?」
「あ、うん。玄関の合鍵を持ってないから、鍵屋さんを連れてきてくれるって」
「どれくらい時間かかるって?」
「2、3時間以内って言ってた」
「オーケー」
そう言うと、ポールは急に空き缶ゴミの袋を探し始めた。ゴミ袋も鉄格子のポーチの中だ。でも、彼は長い棒を持ってきて、空き缶ゴミの袋を手元に寄せ、そこから、サバ缶とイワシ缶のフタを探し出したのだった。
「あった、あった!これで開くかもしれない!」ポールはすこぶる嬉しそうに、塀によじ登り、屋根に上り、柵を跨いでテラスへ上がっていった。ああ、決して諦めず、希望を捨てない、彼の精神は、素晴らしい。だから、16年間も、お金もなく、家もなく、人々の助けだけを頼りに歩き続け、木を植え続けて来れたんだなあ、と納得する。私は、ただただ、パニックになり、自分を責めてエネルギーを消耗し、問題を解決するためのエネルギーなど、これっぽっちも残っていない。

ポールは意気揚々と空き缶のフタを持って、テラスへ上がり、どうにかしてドアを開けようと力を尽くす。できることは、すべてやる。それも、彼の精神。それでも、1時間が経過し、汗だくになった彼は、ついに諦めた。
「だめだ、開かない」
ところが、彼は失望するわけでもなく、
「これで、この家の安全対策はものすごく素晴らしいということが証明されたというわけだ」と笑ったのだった。やれることはすべてやり、力尽きて、私たちは屋根の上に座り込み、水を飲み、グラノラバーを食べた。

「ああ、こんなこともあるよね」と彼。「鍵を持ち歩いていないのは、僕も同じこと」
「でも、やっぱり、あれは私の責任。私は、ずっと自分を責めて、後悔して、自分にものすごくがっかりしている。どうして、あんなことしてしまったんだろう・・・って。もちろん、そう思うことが、何の役にも立たないことは、わかってるんだけど。本当にごめんなさい」
私が言うと、
「うっかりドアを閉めちゃうなんて、君じゃなくて、僕がやりそうなことなのにね」と、また、彼は笑ったのだった。と、そこへ、クラクションを鳴らしながら、グロリアが到着した。
「グロリア!ありがとう!」天にも昇る嬉しさ。グロリアと鍵屋さんを見たとたん、身も心も軽く、屋根を下り、塀を伝って、地面に降りた。
「ごめんね、遅くなって」
「ああ、来てくれてよかった、ありがとう!」

早速、グロリアの鍵でポーチの鉄格子を開け、鍵屋さんが玄関のドアの鍵を開けにかかった。しかし、なかなか開かない。
「難しい鍵だなあ」すると、グロリアがカバンから鍵を一つ取り出し、
「ちょっと待って、これ試してみよう」と、鍵穴に入れると、なんと、すんなりドアが開いたのだった。
「よかった!これが玄関の合鍵だったのね。確かじゃなかったから、エトラに寄って、鍵屋さんを連れてきたんだけど、とにかく、開いてよかったわ」
よかった!とにかく、よかった!鍵屋さんは、出張してきたので、200ペソほしいと言う。それも、納得。200ペソを払って、階段を駆け上り、内側からテラスのドアを開けた。
「おお!ずいぶん早かったね」
「結局、グロリアが合鍵、持ってた。でも、鍵屋さんにはお金を払ったよ」
「うんうん、それは、そうだろう。とにかく、開いてよかった。悪夢、終了!」

一件落着し、グロリアの車でエトラへ行き、鍵屋さんでドアの合鍵を作ってもらった。その後、グロリアと別れ、インターネットカフェでメールをチェック、ブログをアップし、マーケットで買い物をし、家に戻ると、ぐったりと疲れていた。

パニックになると、体内に毒物がどっと排出されるようで、ものすごく疲れる。自責の念、後悔、自己嫌悪などの感情は、体内に毒物を作り、細胞にダメージを与える、と聞いたことがあるけれど、それは、本当だ。ましては、何か、問題が起こったときや、問題を起こしたとき、パニックになって、自分を責めたり、後悔したりしても、何の解決にもならないどころか、解決のプロセスを妨げる、ということを、今日は学んだのだった。ふう。
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by lifewithmc | 2007-03-28 08:56 | メキシコ・山の暮らし

自然のダイナミズム

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11月14日(火)晴れ

祈るカマキリは、まだ花の中にいる。芋虫は、真ん中がへこんで、しおれているようだ。

「死んじゃったのかな」と思っていると、「きっと、蝶になって飛んで行ったんだよ」と、ポールが言う。彼が芋虫を棒で突付くと、芋虫はいとも簡単に地面に落ちた。
「うん。軽かったから、死んだんじゃなくて、飛び立ったんだと思う」と彼。地面に落ちた芋虫を見ると、確かに抜け殻のよう。飛び立つところを見ることはできなかったけれど、無事に蝶になったのなら、よかった。

今日は雲が刷毛ではいたようにきれい。庭のブーゲンビリアが、ものすごい勢いで花を咲かせている。紅色とショッキングピンクの二種類のブーゲンビリア。伸び放題になっているので、2つの木の枝が絡み合い、こんもりとして、大きな籠を逆さにしたようになっている。どうやら、ブーゲンビリアの籠の中には鳥の巣があるようだ。小鳥の鳴き声や、がさがさと動く音をよく聞くし、この間は、私が近寄っていくと、小さな灰色の鳥が驚いて地面から飛び上がり、ブーゲンビリアの茂みの中に飛び込むのを目撃した。まるで、決死の覚悟で海に飛び込むような必死さだったので、ものすごく滑稽だった。「驚かせて、ごめんよ」と、もちろん、鳥さんには謝っておいたけれど。

ブーゲンビリアの花の周りには、今日は、黄色い蝶が何十匹も飛んでいる。昨日の芋虫は、今日はこの蝶の中のどれかなんだろう。毎日、何かが生まれて、何かが死んでいく、自然のダイナミズムは素晴らしい。

ヨガをしている最中に、「このまま、ヨガを続けていくと、どこへたどり着くのかなあ」と漠然と考えていると、「どんどん楽になっていく」という答えが返ってきた。答えはどこから来たのか、自分の中からのようでもあるし、外からのようでもある。
「どんどん面倒臭いトラブルはなくなって、シンプルになっていく」と言葉は続いた。「そして、クリエーションへ向かっていく。クリエーションの泉は尽きない。自分のしたいこと、することが、全体のためになっていく」
この答えはとても気に入った。「どんどん楽になって、クリエーションへ向かう」というのは、とってもいい感じ。

この、「一気にわかる」というのが、もしかしたら、「悟る」ということなのかもしれないけれども、とにかく、普通の状態で理解をするのとは、全く次元が違って、インフォメーションが瞬時にやってきて瞬時に「全てを理解する」という感じ。普通、私たちは何かを理解するときに、理屈とか説明とか理由とかがあって、一つずつ、線状に理解していくのだけれど、この、メディテーション中に一気にわかるというのは、理屈とか説明とか理由とかが、一切なく、ただ、脳が全体の映像を立体的に一気に捉えるという感じなのだ。

もちろん、メディテーションしていなくても、「はっと気づく」こととか、「なぜだかわからないけど、わかっちゃった」みたいなことは、あるけれども、メディテーションしているときの「一気にわかる」内容というのが、とにかく、自分の経験や知識からは、引き出し不可能な情報なので、「一気にわかった」後に、ものすごく驚くのだった。

ヨガの後、今日からメディテーションをすることにする。エドガー・ケイシーの若返り法の本(原題:Edgar Cayce’s Approach to Rejuvenation of the Body By John Van Auken and the Editors of the A.R.E.)を読んでいたら、「長年、メディテーションをして、全く効果が得られなかった人でも、この方法を試すと必ず宇宙意識(神の意識)を経験する」という素晴らしいメディテーション法というのがあった。メディテーションは、若返りの秘訣らしい。「これは、やってみないと!!」と、早速、試してみた。それは、Magical Silence(マジカル・サイレンス)という、こんな方法。

1.リラックスして身体を楽にして座り、目を閉じ、静かに自然に鼻から呼吸する。
2.心の中で「Be Still」と言いながら息を吸い、その後、息を吐く。
3.心の中で「Know God」と言いながら息を吸い、その後、息を吐く。
4.何も言わず、息を吸い、息を吐く。
5.そのとき、心が静かで、思考が停止していたら、思考が停止している限り、自然に呼吸を続ける。
6.心がざわつき始め、頭の中に思考が湧いてきたら、再び、「Be Stillで呼吸」→「Know Godで呼吸」→「何も言わず呼吸」を繰り返す。

本によると、この「心が静かで、思考が停止している間」というのが、大切で、ケイシーはこれを「Magical Silence(マジカル・サイレンス)」と呼んだのだそうだ。この、マジカル・サイレンスの間に、宇宙意識や神の意識を体験するらしい。

やってみると、何回か、「Be Stillで呼吸」→「Know Godで呼吸」→「何も言わず呼吸」を繰り返しているうちに、頭に言葉が浮かばなくなり、ただただ、呼吸を続けるだけの状態になった。なんとなく、深いメディテーション状態に入っているような感じで、身体が重くなった。

メディテーションを20分か30分ぐらい続けていると、とてもリラックスして、頭もすっきりしたような気がした。若返り効果も期待して、「マジカル・サイレンス」を続けることにする。

夕方、散歩をしていると、ものすごい勢いで鳥の群れが南へ飛んでいき、牛追いのおじさんが、大声で牛を追いつつ、家路を急ぐ。なぜだろう、と思っていると、一転にわかにかき曇り、雷がゴロゴロ鳴り出した。
「お、来たね」途中で薪にちょうどいい木を二本、見つけたので、かなり重いけれども、担いで帰る。稲光が西の空に光り始め、大粒の雨が、ぽつり、ぽつりと降り出した。
「急げ、急げ」
息を荒げながら、薪を担いで玄関の軒下に着くと、ちょうど、土砂降りになった。
黄色い稲光、轟く雷、土砂降りの雨。花に水。よかった。
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by lifewithmc | 2007-03-24 06:54 | メキシコ・山の暮らし

家の中にカニ???

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11月13日(月)晴れときどき曇り

朝から気持ちのいい天気。テラスにレッドベリーとホワイトベリーがやってくる。ポールがカメラを構えて待機してくれていたおかげで、この間よりも鮮やかな写真を撮ることに成功した!ハチドリの飛ぶ姿を正面から見ると、小さな十字架のように見える。まるで天使のような生き物。

朝食の後、洗濯をしていると、玄関の内側になにやらうごめいている茶色い物体を発見した。「うわ、巨大サソリ!?」と思って恐る恐る近づくと、それはなんと、カニなのだった。どこから中に入ったのか、カニがドアの横の壁にはりついている。

「家の中にカニがいるよ!」と言うと、早速、ポールがカメラを持って二階からやってきて写真を撮った。撮影の後、カニを川に戻すため、バケツに入れた。すると、カニは鋏を思い切り開いてポールを威嚇。「お!カニくん、あまりご機嫌よくないね」とポールがカニくんの怒りに気づき、「大丈夫だよ。心配ないから」と目を見て言うと、あら不思議、カニくんは即座に鋏を閉じ、しゅんと大人しくなったのだった。

「すごい!言葉が通じたよ」とポールはウキウキしている。いつも、花や木や太陽や雲に、いつも話しかけている彼。この間は、満月とも長いこと話をしていた。自然の中で野宿をしているうちに、昆虫や動物、鳥や宇宙や自然と話しができるようになったそうだ。「みんなできるよ。元々、人間が持っていた能力だもの」とポールは言う。私も少しずつ、自然や宇宙と話せるようになるといいなあ。

さて、カニくんを川へ戻しに行こうとしたら、今度は、門の木戸のところに10センチはある太った緑色の芋虫がしっかりとしがみついていた。今にも蝶になって飛び立とうとしているような雰囲気。ポールを呼んで、これも写真に撮ってもらう。これは、木戸に張り付いていたので、「木戸を開け閉めしたときにつぶしたら大変だ」と、枯葉に載せて、花壇の木の根元に移す。

カニを川へ戻し、(「元気でね」と私もカニに挨拶をしておいた)戻ってくると、今度は、ポーチの鉄格子の上、ちょうど軒下のところに並んで咲いている、鮮やかなオレンジ色の百合のミニチュアのような花の間に、茶色い物体を見つけた。近づいてみると、これはカマキリだった。10センチ強と大きい。カマキリは、花の中にたたずみ、じっと祈るような格好をしている。本当に、Praying Mantis (祈るカマキリ)というらしい。これもポールが写真に撮った。

芋虫はちゃんと木の幹に登り、しっかりとしがみついて脱皮の準備をしている様子。脱皮して蝶になるところを見ることができるといいけど・・・・とにかく毎日、訪問者に事欠かない。

夕方、見てみるとカマキリは逆さまになって花からぶらさがっていた。芋虫は、相変わらず木にしがみついている。ポールは、フォトショップを使い、生き物たちの写真をアートに仕上げた。
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by lifewithmc | 2007-03-24 01:57 | メキシコ・山の暮らし
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11月12日(日)晴れ

この家に来てから、40日。その間に、家を訪ねて来た人は、Chicoと奥さん、アレハンドロ、焚き木を持ってきてくれると言って二度と来なかったロバを連れたおじさん、プロパンガスを運んで来てくれた家族4人連れの合計7人とグロリアのみ。

1KM四方内に住んでいるのは、ピエールとピエールの奥さんとチャーリーの三人だけ。

ほとんど人に会わず、必要最低限以外は出かけず、何かをしなくてはならないこともなく、二人きりで暮らしていられることは本当に幸せですっかり満足している。二人きりと言っても実は生き物に囲まれているので、生き物たちや自然との対話が毎日ある。もし、自然のないところに住んでいたら、家の中にずっといて満足することなんてないだろうな。

人間のお客さんは来ないけれど、生き物のお客さんは、毎日、豊富にやって来る。

テラスにやってくるのは、ハチドリ、ヘビ、蝶、空飛ぶバッタ、トンボ、エイリアンみたいに見える蛾、蜜蜂、スズメバチ、その他、名も知らない無数の虫たちと鳥たち。庭には、鳥、カマキリ、コウロギ、トンボ、カブトムシ、蜜蜂、スズメバチ、たくさんの花たち。家の中には、10種類以上の蜘蛛と、大小様々な虫たち!毎日、いろんな生き物との出会いがあって、退屈しない。

今日も、山の中腹に2メートルくらいの高さで赤い、カトレアのような花が突然、満開になっているのに気がついた。山に生えている木々よりも一段と高いところに誇らしげに咲いているこの花は、なぜだか「見て、見て、ほら、咲いたよ」と私に笑顔で話しかけているようなので、「すごいねえ。いつ咲いたの?きれいだねえ」と声をかけて褒めてあげると、嬉しそうに揺れたのだった。生き物も花も木も、とにかく命あるものは褒められることが大好きなようだ。一昨日の大雨のおかげでテラスに木陰を作ってくれている大きな木も、2度目の花を咲かせ始めた。

自然と暮らしていると、とにかく飽きない。自然は毎日変わっていく。毎日違う。毎日が楽しい。風の強さ、風の向き、空気の湿度、太陽の光、月の形、空の色、雲のたなびき方、鳥たちのさえずり、小川のせせらぎ。私のからだの調子、自然の美しさを感じる度合い(疲れていると鈍くなる)、私が感じること、私の心の動き、考えること。自然の中で変化しないものは何もなく、すべてが刻々と変化し、移り変わり、生まれて、満ちて、死に、また生まれる。だから、私も日々変わり、移り変わり、入れ替わり、生まれて、満ちて、死に、また、生まれる。

ホワイトベリーとレッドベリーが交互にテラスにやってきて、アクロバッティックな動きでハエを捕まえる。ハチドリの隣に黄色い蝶もやってきて、一緒に踊る。黄色い蝶は、私の頬をまるでキスするみたいに、そっとかすめて飛んでいった。
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by lifewithmc | 2007-03-24 01:54 | メキシコ・山の暮らし

時間も曜日もなく

11月11日(土)晴れ

今日はグロリアが来る、と思って、朝早く起きた。グロリアはいつも9時ごろに来る。ところが、10時になっても来ない。ポールは原稿を書き始め、私はヨガをしながら待っていた。すると、突然、ストレッチをしているときに、「もしかしたら、今日は土曜日なんじゃないか?」と思いつき、日本から持ってきた携帯の電源を入れてみた。すると、携帯は、「11月12日 午前2時」と表示された。「と言うことは・・・ここは11月11日 午前11時・・・やっぱり、今日は土曜日だ!」

「大変、今日は日曜日だと思っていたけど、土曜日だった!」
コーヒーを入れていたポールに言いに行くと、
「でしょう?僕は、『今日は土曜日なんじゃないか』って言ったよね。でも、君が、『日記をつけているから間違いない。今日は日曜日だ』って言ったんだよ。この間は、冬時間に変わったことを知らなくて、僕らはみんなより1時間早い時間で生活していたし・・・あの時も、僕が『みんなと時間が違うんじゃないか?』って言ったのに、君が『そんなことない。みんなと同じだ』って言ったんだよ」と大笑い。
「まったく時間も曜日もわからずに生活できるなんて幸せだよね」と言ったのだった。

そう、ついこの間まで、私たちは夏時間のまま暮らしていた。いつか、グロリアが来たとき一緒にランチを食べに行って、「もう1時半だよ」とポールが腕時計を見て言い、彼女が「もうそんな時間?」と驚いたことを思い出した。でも、誰も気に留めなかったので、その日、すでに冬時間だったことを私たちは気づかなかったのだ。結局、火曜日にコレクティボでオアハカに行ったとき、タクシーのミラーにかかっていた腕時計を見て、「あら、いつの間にか、冬時間に変わっている!」と気づいたのだった。そして、私の日記も、どこでどう間違ったのか、今日は日曜日ということになっていた。オアハカのスーパーでもらったレシートを見ると、オアハカに行ったのは火曜日なのに、私の日記では水曜日にオアハカに行ったことになっていたのだった。

ポールはまったく怒る風でもなく、「ああ、よかった!妻の勘違いによって、原稿を書く時間が一日延びた!」と喜んでパソコンに向かい、原稿を書き始めた。私はシーツの洗濯をし、エッセイを書き、ポールの原稿をタイプするのを少し手伝い、「ああ、だんなさんが、何でもポジティブに考えてくれるのは、本当にありがたいことだ」と、しみじみ思ったのだった。
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by lifewithmc | 2007-03-24 01:51 | メキシコ・山の暮らし

花に水

11月10日(金)晴れ

腹筋がますます割れて、ウエストが締まってきた。
洗濯、バスルームの掃除。ポーチにも落ち葉がたまってきたので、掃除した。

このところ雨が降っていなかったので、「花に水をやらなくちゃな。でも、雨が降ってくれたら、もっといいなあ。そしたら、ついでにドライブウエイも車寄せも雨に洗ってもらえる」なんて思っていたら、夕方、ものすごい雷雨になった。

花に水。

d0107620_3205459.jpgドライブウエイもすっかりきれいに。

神様、ありがとう!!
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by lifewithmc | 2007-03-20 03:21 | メキシコ・山の暮らし