エッセイスト菊池木乃実のブログです。環境活動家の夫、ポール・コールマンと共に南米チリのパタゴニア地方に在住。ホリスティックで持続可能なライフスタイル実践中


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カテゴリ:メキシコ・山の暮らし( 100 )

冬の嵐

1月9日(火)  強風 寒い

冬の嵐のような天気。雨や雪こそ降らないけれど、とても冷たい乾いた風が谷を吹き荒れている。

鳥たちは、みな茂みの中で寒さをしのいでいるのだろう。鳴き声は、まったく聞こえない。私たちも、朝、テラスでコーヒーを飲もうと出てみたものの、寒くて部屋の中へ引き返し、部屋の中にカフェテーブルとアウトドア用の椅子をセッティングして朝食を食べた。

「鳥たちはどうやってこの強風をしのいでいるんだろう。このへんは、木が密集しているから、風を防げる場所がたくさんあるのかな。ビーキーズは、ブーゲンビリアの茂みの中でじっと風が止むのを待っているんだろうね。こうやって、たくさん木があるから、鳥たちも生きていけるんだよね」

「そういえば、おととい、ずいぶんたくさん、鳥たちがテラスの木に来ていたでしょ?あのとき、天気が変わるんじゃないか、鳥たちは、何かを感じているんじゃないかって、言ってたけど、本当にそうだったね」

と、鳥のことばかり心配していると、ポールが言った。

「面白いよね。そんなに鳥のことばかり心配しているなんて。僕に会う前は、その時間とエネルギーを何に使っていたの?」

「えーと・・・1日3時間は通勤に使ってたでしょ。行きと帰りは、電車の中で居眠りしてたし、会社に着いたら、10時間ぐらい働いて、帰りはスーパーへ寄って買い物して、家に着いたら、夕食作って、食べて、お風呂に入って寝る・・・それの繰り返しだった」

「じゃあ、鳥のことを考える時間なんて、なかったね」
「・・・・・・・うん・・・・・そうね・・・・・」

たしかに、あのころは、「鳥は、どうやって寒さをしのいでいるんだろう」なんて、考えたことなかったなあ~。
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by lifewithmc | 2007-05-09 04:08 | メキシコ・山の暮らし

オーガニックな日記♪

1月8日(月) 曇り 風強し ひさしぶりに寒い

とても風が強く、ひさしぶりに寒い。1日中、日記をパソコンにタイプしていた。10月から12月までの3ヶ月、毎日書いた日記は、原稿用紙300枚ぐらいになった。「300枚の小説を書いてください」と言われたら、とても気が滅入りそうだけれど、少しずつ書いていたら、あっという間に300枚になった、というのが、とてもオーガニックな感じで嬉しい。自然発生的に何かが起こること。時間をかけて、ゆっくりと何かが、出来上がることは、とてもオーガニックで私たちの生活のペースに合っている。
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by lifewithmc | 2007-05-09 04:08 | メキシコ・山の暮らし

村の結婚式

1月7日(日) 晴れ

クリスマスプレゼントにあげようと思って作っておいたマジック・オイル(ハーブとガーリックのオイル)を持って、夕方ピエールの家へ行った。ピエールと奥さんのリンダ、叔父さんのチャーリーは、クリスマス前からお正月にかけて、ピエールのお母さんのお葬式のため、サン・ミゲルへ行っていたのだ。

川を渡ってピエールの家へ行くと、ちょうど、3人は出かけるところだった。「村の牧場で結婚式があるんだけど、行く?」と誘われる。「私たちは招待されているから行くんだけど、カジュアルなパーティーだから、一緒に行っても大丈夫だと思うよ」と。そこで、喜んで一緒に行く。ピックアップトラックの後ろに乗り、土ぼこりの中を走ること10分。大きな牧場の中のテントにたどり着いた。

結婚式は宴たけなわ。巨大なブルーシートを屋根かわりに張り、その下にコの字型に100人ぐらいの人が座っている。10人編成のバンドが音楽をかなで、真ん中で30人ぐらいの人が思い思いに踊っていた。その中に、今日の新郎新婦も混じっていた。テントの外にも、50人ぐらい、椅子に座ったり、立ったりして、真ん中で踊っている人たちを眺めている。道路を挟んで、その向かい側にも、人垣ができていた。

人ごみの中を、ビールやテキーラのトレイを持った人が通っていく。お客さんは、トレイからビールやテキーラをもらって飲んでいる。私たちも遠慮なくコロナをもらって、しばらく、音楽を楽しみ、踊る人たちを眺めた。

日が沈み、夕闇が迫るころ、ピエールたちに「さよなら」を言って帰ってきた。懐中電灯を持って来なかったので、日が沈む前に帰らないといけない。村の道路には外灯がないので、日が沈むと、あたりは真っ暗。その中を川を歩いて渡って帰るのは、ちょっと危ない。川は浅いのだけれど、橋などないので、岩の上を歩いて渡っていくのだ。

真っ暗になる少し前、家にたどり着いた。村のシンプルな結婚式。花嫁さんは、とても幸せそうだった。でも、土ぼこりの多いメキシコでは、ウエディングドレスを真っ白なままにしておくのは、大変だろうなあ。
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by lifewithmc | 2007-05-09 04:07 | メキシコ・山の暮らし

いつか、会ってみたい

1月6日(土) 晴れ

朝、庭へ行くと必ず、鳥たちがあたふたと茂みの中へ逃げ込む音がする。「ごめんね」といいながら、庭を歩く。動物たちのテリトリーにお邪魔しているという感じがする。

ヨガとメディテーションを終えて、テラスへ出ると、ハチドリがちょうど、ブーゲンビリアの花の上を舞っているところに出くわした。しばらく、ハチドリには会っていなかったので、嬉しくなる。すると、頭の上、10センチくらいのところを、黒と黄色の美しい蝶が飛んでいった。テラスにいると、よく蝶たちが私の近くを飛んでいく。私の存在が、彼らの邪魔をしないのは、嬉しい。

一日中、森から、「ホー、ホー」という鳴き声が聞こえる。いつか、あの声の持ち主にも、会ってみたいと思う。
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by lifewithmc | 2007-05-09 04:06 | メキシコ・山の暮らし
1月5日(金) 晴れ

今日から、ポールは新しいビデオクリップを作り始めた。これは、今までの1分から1分半までのものとは、少し違って、5分と長い。

映画を作るのは、ずっとポールの夢だった。ある日、有名なアニメ映画の監督に会ったとき、「どうやったら映画が作れるのか」と聞いたら、彼はこう言ったそうだ。「最初は1分のアニメを作ったんだ。作り続けているうちに、それが、5分になり、10分になり、ある日、30分の映画になることになった。すると、30分の映画が大ヒットして、気がついたら2時間の映画を作るようになっていたんだよ」

そのことを思い出し、ポールは1分のビデオを作るところから始めた。最初の作品は、村のクリスマスの様子を撮影したビデオクリップ。ネットで公開すると、「とてもよかった」「心がなごんだ」という嬉しいコメントをたくさんの人からもらった。

私は、1コマ漫画を描き始めた。楽しく、シンプルに、簡単にできることから始めれば、大きな夢もきっと叶うはず。

今年は、クリエーションの年だ。
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by lifewithmc | 2007-05-09 04:06 | メキシコ・山の暮らし
1月4日(木) 晴れ

オアハカまで行って、新しいジューサーを買ってきた。ああ、それなのに、ジュースをコップに一杯作っただけで、なんと、モーターが動かなくなった!!ショック!!前回のジューサーは、1ヶ月使って、モーターが焼き切れたので、今回は違うメーカーのジューサーを買ってきたのに!

「ああ、どうしてなんだ!がっかりだ!!ものすごく楽しみにしていたのに・・・ああ、僕のジューサー。僕は、悲しい!!」ポールは叫びながら、何度も、スイッチを入れてみるが、うんともすんとも言わない。しばらく、ジューサーをひっくり返したり、修理ができないかとネジを回してみたりしていたが、ネジ穴が特殊で、自分では直せないとわかるやいなや、「ええい!ぶち壊してしまえ!」と、ジューサーを床に叩きつけようとした。

「ちょっと待って!マニュアルにカスタマーサービスの電話番号が書いてあるよ。ここに、電話してみようよ」
ポールは思いとどまり、マニュアルを読み始めた。
「うーん・・・メキシコでは、商品の返金、返品は、ほとんどしてもらえないとグロリアは言っていたけど、もしかしたら、なんとかなるかもしれない」ポールは冷静さを取り戻した。
「とにかく、落ち着こう。お茶でも飲んで、とりあえず、今は忘れよう!」
私はそう言って、ジューサーをきれいに洗い、買ったときの状態に戻して、お湯を沸かした。

「今日は、まったくひどい日だ。どうして、こんなことが起こっているんだろう」
お茶を飲みながら、ポールが言った。
本当に、今日は、不思議な日だ。ジューサーが壊れただけでなく、今日の午後は、インターネットカフェでメールをチェックしているときに、契約終了したと思っていたソフト会社から、「契約を自動更新しました」というメールが来て、カードから500米ドル(約6万円)が引き落とされていたことがわかり、ものすごくショックを受けたのだった。すぐに、ソフト会社には、「契約更新した覚えはないので、即座に返金してください」とメールを送り、カード会社には、「覚えのない請求なので、支払いストップしてください」とメールを送った。それでも、しばらくショックは収まらなかった。家に帰ってきて、もう一度、請求書を確認してみると、下のほうに小さく「契約更新はリスクなし。30日未満なら解約できます」と書いてあった。なんてこと!本当に心臓に悪い。
「ソフト会社は、500ドル、許可なしに引き落とそうとするし、40ドルで買ったジューサーは10分で壊れるし・・・いったい、どうなってるんだ!」
しばらく、二人とも混乱したまま、お茶を啜っていたが、ポールがダライ・ラマのチャンティングをかけると、二人とも気分が落ち着いた。

「オーム」と、ダライ・ラマと一緒に歌う。ポールは、ダライ・ラマのチャンティングが大好きで、「ダライ・ラマは、いい声をしている」とお気に入り。眠れないときには、ダライ・ラマのチャンティングをかけると、ぐっすり眠れるらしい。しばらく、ダライ・ラマの低い落ち着いた声を聞いていると、さっきまでの混乱と興奮が、まるで、何もなかったことのように落ち着いて、リラックスした。

「怒っていても面白くないから、何か、楽しいことを考えよう!」とポールが言い、新しいホームページを作ることや、4月22日のアースデイまでは、ブログに「毎日、地球に思いやり 毎日がアースデイ」というテーマでテキストを書こうということなどを話し合う。すると、ずいぶん、気分が盛り上がり、楽しくなってきた。

すると、そのとき、窓の外から誰かの声が聞こえた。夜9時だ。いったい、今頃、誰だろう?テラスに出てみると、家の前に車が止まって、誰かがこちらを見ている。
「グロリアさんから、箱を預かってきましたよ」
よく見てみると、男の人が箱を持っている。奥さんらしき人もいる。玄関へ出て、お礼を言って、箱を受け取ってみると、それは、東京のザ・ノースフェイスからの箱だった!

「おお!ギアが届いたよ!!」一気に嬉しくなって、箱を開ける。ザ・ノースフェイスは、私たちにギアを提供してくれているスポンサー。1年前にもらった靴の靴底が剥がれてしまったので、新しい靴と靴下、手袋、シャツやズボンなどのギアをお願いしていたのが、届いたのだ!箱の中には、ピカピカのブーツが2足、ポールの靴下が3足と、日よけつきの帽子、防寒手袋、それに、私用のズボン2着、シャツ2枚が入っていた。

「ああ!嬉しい!嬉しい!」二人とも、新しいブーツに足を入れて、はしゃぎ回り、「ありがとう、ノースフェイス!!」と言いながら、踊りまくった。

気がつけば、二人ともジューサーが壊れたショックからは、完全に立ち直っていた。
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by lifewithmc | 2007-05-09 04:04 | メキシコ・山の暮らし

自然からのギフト

1月3日(水) 曇り
 
昨日、突然、倒れた木を、朝、ポールが見に行った。倒れた木は、藪の上に倒れたまま、村の人が通る小道の上に突き出している。「枯れた木は切ってもいい」ということになっているので、このままだと、いつか誰かが来て、切ってしまうだろう。

普通は、木を切るために、作業しやすいように、周りの藪や茂みなどを必要以上に刈り取ってしまう。下草も周りの藪も、闇雲に刈り取ってしまうはずだ。でも、ここは、鳥たちが毎朝、餌を取る大切な場所。虫や鳥や蝶たちが、たくさん住んでいるし、おそらく、鳥の巣もあるだろう。闇雲に藪を刈り取ってしまったら、彼らの巣も壊され、鳥や虫たちの居場所も奪われる。

「誰かに、周りの藪も刈り取られてしまうくらいなら、自分で切る」 ポールは家に戻り、小さなノコギリを持って、再び出て行った。

昨日から、ひどい風邪を引いていたにもかかわらず、ポールは藪の中に入り、小さなノコギリで、3時間かけ、道に突き出している枝を切り落とした。すると、倒れた木は、藪に隠れて見えなくなった。これなら、誰かが、無闇に藪を刈り取ってしまうことはないだろう。切り落とした枝は、ありがたく、蒔にするためにいただいた。

一昨日は、大きな木がチェーンソーで切り倒されるのを食い止めて木を救った。そして、今日は、自然に倒れた木をありがたくいただいた。これは、きっと、自然からのギフトなんだと思う。
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by lifewithmc | 2007-05-09 04:04 | メキシコ・山の暮らし

木が倒れた

1月2日(火) 晴れ

朝、テラスでコーヒーを飲んでいたら、突然、川岸に立っていた4メートルくらい大きな木が、ゆっくりと川と反対の方向へ傾き始めた。なんだろう、と思っていると、あれよあれよという間に、どんどん、傾き、「どさ」っと、大きな音を立てて藪の中に倒れたのだった。どうして、突然、倒れたのか?驚いて、早速、見に行った。

木は、川岸の藪に囲まれたところに根を張っていたようで、人間が切り倒した様子はなかった。どういうわけか、自然に倒れたらしい。まだ、葉が青々とついていたので、枯れたのではなさそうだ。すると、ポールが、地面に近いところの枝が、だいぶ前に切り落とされているのに気がついた。

「枝が切り落とされて、バランスが崩れたのかな?」と聞くと、
「うーん・・・もしかしたら、一昨日、チェーンソーで木を切り落としていたことと、関係があるかもしれない」とポールが言う。たしかに、チェーンソーで、かなり激しく枝を切り落とされた木から近い。
「長年の友達が、チェーンソーで切り倒されるのを見て、ショックを受けたのかも」とポール。
「そうだよね。周りの木たちは、かなりストレスを受けたよね」と私もうなずいた。

ずっと前に、植物の実験を本で読んだことがある。植物に脳波を検査するときに使うような器具を取り付けて、周波数を測定するという実験で、なんと、葉をちぎったときに、「ピピピ」と激しく測定器の針が揺れたのだ。さらに、かなり離れたところにある葉をちぎったときにも、測定器の針は同じように揺れたのだった。それで、植物にも感覚がある。離れたところにある植物は、テレパシーのようなもので交信しあっているらしいということがわかったのだった。

植物たちは、あの木がチェーンソーで切り落とされたときのショックを、きちんと感じているんだと思う。
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by lifewithmc | 2007-05-09 04:03 | メキシコ・山の暮らし

Gateway is Opened!

1月1日(月) 曇り 時々 晴れ

2007年が幕を開けた。あけまして、おめでとう!とはいえ、松飾も鏡餅もなく、Tシャツ1枚でいられるくらい暖かいメキシコでは、お正月という感じがしない。

朝は、いつも通りに起きて、テラスでコーヒー。今年、最初にテラスの木にやってきたのは、初めて見る鳥だった。頭から背にかけては、ブルーグレイで、お腹は真っ白。10センチくらいの小さな鳥だ。図鑑で調べたら、「ブルーグレイ・ナットキャッチャー」(日本語では、ブユムシクイ)という鳥だった。元旦から新しい鳥に出会えるなんて、縁起がいい!

喜んでいると、今度は、ポールが、突然、スケッチブックを取り出してきて、何かを書き出した。

書き終わると、ポールはこう言った。
「今、このメッセージが降ってきた。最初の一行が浮かんだから、書き始めたんだけど、どういう風に続くのか、わからなかったんだ。すごく、いいメッセージだよ。嬉しいなあ。これは、神様からのメッセージだね」

それは、こんなメッセージだった。

2007 Begins a journey To Heaven
A footpath through the stars is born
A gateway is opened
And the Sun shines
As you pass

本当に、幸先のいいメッセージだ。神様、ありがとう!
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by lifewithmc | 2007-05-09 04:02 | メキシコ・山の暮らし

2006年最後の日

12月31日(日) 晴れ 

午後から、トムとグロリアが来る。天気がいいので、テラスに大きなテーブルを出し、ブルーシートを張って日陰を作って、ランチパーティーをする。ポールは、朝から、ガスパッチョを仕込み、グロリアはサラダを作り、私は彼女が持ってきてくれた豆腐を使って、ディップを作った。

ランチのメニューは・・・

ガスパッチョ
キュウリ(薄切り)、玉ねぎ(みじん切り)、にんにく(みじん切り)、ブロッコリー(みじん切り)に、ヨーグルト、レモンの皮、クミン、ベイリーフを煮込む。スープに味が出たところで、火を止めて、スープを漉す。漉したスープを冷凍庫で冷やす。食べるときに、アボガドのスライス、レモンスライス、シラントロのみじん切りを加え、ローズマリーオイルをたらす。ヨーグルトの酸味とさわやかなキュウリの味が最高!

シンプルサラダ
レタスミックス、トマト、キュウリ、アボガド、ドレッシングに、ハーブ&ガーリックオイル、レモン、醤油

豆腐ディップ
絹ごし豆腐に、砕いたピーナツ、クミン、シラントロのみじん切り、レモン、醤油、エクストラ・ヴァージン・オリーブ・オイルを混ぜる。一晩、冷蔵庫で寝かせると、味がしみこんでさらに美味しい。

ガスパッチョを味わうとすぐ、「ああ。身体が喜んでいる」とトムが言った。トムはテキサスのヒューストンに住んでいる。ミュージシャンとしてライブもするが、4軒、家を持っていて、人に貸している。不動産の管理が大変で、とてもストレスが大きいらしい。「メキシコに来てから、いろんな人の心温かいおもてなしを受けてばかりだ。ここにいると、とてもリラックスする」と、顔がほころばせていたのが、嬉しかった。

夕方、グロリアとトムが帰った後、片づけをして、テラスへ出た。すると、夕日の中、家の前の野原を低空飛行していくノスリの姿が見えた。ノスリは、野原の上を何度か旋回し、今まで見たこともないくらいの低さで野原の上を飛んでいったのだった。そこへ、ポールがテラスへ出てきた。「ねえ、ノスリが野原の周りを低空飛行してるよ。ネズミを見つけたんじゃないかな」と、私が言うと、ノスリは、野原の方からぐるりと家の後ろを回り、私たちの頭上を低く、ゆっくりと飛んでいったのだった。

「あのノスリ、ありがとう、って言ってた」とポールが言った。「命をありがとう、と僕に言っていたような気がする」
「そうだね、きっと。野原でネズミを見つけたんだね。それで、お礼を言いに来たんだね」
「ネズミが死んでしまったことは、悲しいけれど、こうして、命のサイクルに参加することができてよかったと、今では思うよ」
「そうだね、本当にそうだね」
いつのまにか、ノスリは、南の空へ消えていた。
あのノスリは、たしかに「ありがとう」とポールに言っていたのだと思う。それ以来、あんなに低いところを飛ぶノスリは見ない。
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by lifewithmc | 2007-05-02 08:31 | メキシコ・山の暮らし