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エッセイスト菊池木乃実のブログです。環境活動家の夫、ポール・コールマンと共に南米チリのパタゴニア地方に在住。ホリスティックで持続可能なライフスタイル実践中


by lifewithmc
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思いがけなく嬉しかったこと

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南平に着くまで、私たちは、とても小さな村を通って歩きました。楊さんは私たちの記事が載った新聞記事を持っていて、食堂でも、宿泊した場所でも、どこでも私たちの活動を広めてくれ、ある日などは、夜遅く、泊まる場所が見つからないので、道路沿いに1軒ぽつりと立っていた小さな食堂へ入って行き、食堂のオーナーに話をして、家族が使っていない部屋を私たちに貸してもらえるように交渉してくれました。

食堂のオーナー家族はとてもいい人たちで、一人10元(約150円)で泊まらせてくれることになり、私たちは、居心地のいいダブルベッドのある部屋を貸してもらえました。その日は、もっと嬉しかったことがありました。食堂に居合わせた電気会社の社長さんが、私たちの活動のことを知り、宿泊代と朝食代を全員分、払ってくれたのです。社長さんは、「あなたたちの活動に深く感動しました。以前、日本人は戦争のために中国にやって来たけれども、今は平和の時代です。日中友好を祈って、活動を支援します。」と言ってくれました。こんな時は、本当に心から歩いていてよかったと思います。毎日、黙々と歩いている時にはわからないけれども、こうした、ふとした触れ合いの中に大きな報酬を見つけたような気持ちになって、ああ、歩いていてよかったと本当に思うのです。食堂の家族が、お父さんもお母さんも娘さんも、私たちが日本人と知ると、テーブルをぐるりと取り囲み、「へえ、日本人って、中国人と同じ顔してるんだね。黄色いんだね~」と嬉しそうに言っているのを見て、しみじみと胸が熱くなりました。

翌日も、日が暮れてから小さな部落に着き、そこには、食堂も宿泊所もないので、小さな商店へ楊さんと江来が入っていき、事情を説明すると、快く、商店の家族が増築したばかりの2階のフロアを私たちのために空けてくれました。2階は、キッチン、リビングルームと3つのベッドルームがあり、できたてのホヤホヤ。私たちはお父さんとお母さんのベッドルームを借り、楊琴が多分、娘さんの部屋、祐次さんが息子さんの部屋、楊さんと余江、江来は、リビングルームのソファーで眠りました。そのときも、商店に集まってきた部落の人たちが、「日本人なの?中国人と同じ顔してるんだね~」と言ったのが、とても印象に残りました。一体、ご家族は、この日の夜、どこで眠ったのでしょう?翌日は、お母さんが朝ごはんを用意してくれ、「頑張ってね!」と送り出してくれました。

写真上 ミンチンから南平まで歩いたメンバー(右から、楊琴、余江、祐次、江来、楊さん、ポール、木乃実)
写真中 食堂の家族(前列右から3人)と宿泊費を払ってくれた電気会社の社長さん(後列右端)
写真下 部屋を貸してくれた商店のお母さん(右端)
by lifewithmc | 2008-01-27 12:07 | 中国・徒歩の旅