エッセイスト菊池木乃実のブログです。環境活動家の夫、ポール・コールマンと共に南米チリのパタゴニア地方に在住。ホリスティックで持続可能なライフスタイル実践中


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やった、やった、やった!

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昨日の午後、シャントウ(汕頭)市の林業局へ行ってみました。
イエローページで電話番号を調べて、ホテルの人に住所を聞いてもらい、ポールと二人で訪ねてみたのです。

「まずは、守衛さんに、局長さんと木を植えたいんですけど、と言ってみようよ。今まで行った国では、この方法で市長さんや大臣と木を植えたんだから」とポール。
「でも、ここは中国。突然、林業局のようなお役所へ行って、局長さんに会ったりできるんだろうか?」と半信半疑ではありましたが、一方では、「もしかしたら、何かが起こるかも?」というわくわくした気持ちもありました。

林業局へ着いて、守衛さんにまず、「英語を話せる人はいますか?局長さんにお会いしたいのですが」と中国語で書いた紙を見せました。すると、守衛さんは困った顔で首を振ります。そこへ、ちょうど林業局の職員さんがエレベーターを待っていて、話しかけてきました。紙を見せると、「何のために局長に会いたいのですか?」と聞かれました。そこで、去年、中国を歩いたときの新聞記事を取り出して見せると、すぐに「どうぞ」とエレベーターへ案内され、10階のオフィスへ連れて行ってくれました。

すると、今度は若いスタッフが現れ、英語で話しかけてきました。彼は、アレックスといい、「外国人がこのオフィスに来たのは初めてです」と驚きながら、私たちの話を聞いてくれました。ポールが、このウォークの目的を話し、局長さんと木を植えたいのですが、と言うと、「局長はタイに出張中ですし、上司とも相談しなくてはならないので、今すぐは何とも言えないのですが、何かお手伝いできるかどうかやってみます」と言ってくれました。

帰り道、林業局を訪ねることができただけで、私たちは幸せでした。なんだか、一つ、大きな仕事をしたぞ、という満足感がありました。

ここは中国だし、お役所のことだし、何かが起こるとしても、日にちがかかるかもしれない。だから、何かが起こっても、何も起こらなくても、どちらでもいいよね、と話しながらホテルへ戻りました。

すると、今日の朝、アレックスから電話がありました。「いいニュースがあるので、お昼のあと、ホテルへ行きます」という嬉しい電話です。わくわくしながら待っていると、午後アレックスが来て、「これから、木を植えに行きます。テレビと新聞にも連絡しました!」と言うではありませんか。びっくりしました。こんなに早く物事が進むとは、思っていなかったからです。アレックスと一緒に、クリッシーという女性スタッフも来ました。彼女は、UNEP/GEPの南シナ海湿地保護プロジェクトのコーディネーターで、タイから中国へ戻ってきたばかりでした。

それから、みんなで木を植える場所へ向かいました。そこは、金平区という工業団地を開発中の場所で、「経済発展のために工業団地は必要だけれども、同時に環境保護も重要」という観点から、林業局が植樹をしている場所でした。現地へ着くと、林業局のウー副局長、主任技師のリンさん、それと汕頭テレビのクルー、汕頭日報、汕頭都市報などの記者が来ていました。

ウー副局長は私たちを大歓迎してくれ、インタビューの後、みんなで木を植えました。木は、10本もありました。かなり大きな木です。最後に主任技師のリンさんが、「この木は常緑樹でこの地方の原生です。この木には、中国、英国、日本の友情とハーモニーが常に変わらぬようにという願いがこめられています」と私たちに教えてくれました。

70年前に、この同じ地で日本と中国が戦っていたとは、今では信じられないことのような気がします。今、こうしてみんなで笑顔で木を植えられることは、なんて幸運なことでしょう。
「戦争が始まると誰もが生き延びることに精一杯で環境のことを考える余裕がなくなる。木を植えたくても植えられなくなるんだ。だから、環境を守るためには、まず、地球が平和であるということが大前提なんだ」とポールがいつも言っていることが、初めて身にしみてわかるような気がしました。

昨日まで思いも寄らなかったことが、今日、こうして起こったことに感謝の気持ちでいっぱいです。
初めから「そんなことできるわけないかも」とあきらめていたら、今日のこの出会いはなかったのですから、「何でも、あきらめず、臆病にならず、やってみること」が大切なのだと学びました。
それは、毎日を精一杯生きるということなのかもしれません。毎日、今日できることはすべてやる、ということかもしれません。そうすれば、誰もが「不可能だ」ということが「可能」になるのかもしれませんね。それが、ポールが、こうして今でも歩いて木を植えている秘訣なんだな、と改めて思いました。

今日のこの植樹を可能にしてくださった、すべての人々に感謝です。

写真上 林業局のウー副局長さんとポール
写真中 左からクリッシー、ポール、アレックス、主任技師のリンさん
写真下 木を植えるときは、いつもハッピー☆
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by lifewithmc | 2007-11-10 02:12 | 中国・徒歩の旅