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エッセイスト菊池木乃実のブログです。環境活動家の夫、ポール・コールマンと共に南米チリのパタゴニア地方に在住。ホリスティックで持続可能なライフスタイル実践中


by lifewithmc
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命の使いどころ

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今日は、夏至。日本では、一年のうちで一番長い日ですが、パタゴニアでは、その逆。一年で一番短い日です。このところ、日が短くなればなるほど、日中の行動時間が短くなり、夜、眠る時間が長くなっていった私。まるで、半分、冬眠しているかのように、自然とシンクロしていました。

でも、明日からは、日の出が早くなり、日の入りは遅くなり、どんどん、日が長くなっていくのです。やっほ~、すでに、春が来たような嬉しさです。

今週は、新しいストーブがやって来たので、燃やす薪の量も減り、古いストーブに比べて、数倍、暖かく過ごすことができています。豪快に燃える炎を見ながら、ふと、「ああ、こうやって木の命をもらって、暖をとっているんだわ」とセンチメンタルなことを思いつき、燃えていく薪の皆さんに、お礼の気持ちを伝えました。

そういえば、自然界の中では、すべての生き物の命は、他の命を生かすために存在しているけれど、人類は、何を生かすために存在しているのかしら。人類の命は、他の人類の命を生み出すことはできるけれど、他の自然の命を生かすために何か役に立っているのかな?

昔は、死んだ人を土に埋めたので、それで微生物が育って、植物になって、それを動物が食べて、動物を人間が食べるという循環があったけれども、今は、人間は死ぬと陶器の骨壷に入れられて、コンクリートで四方を囲まれた墓地に埋められるので、他の微生物が入る隙間もないし・・・私は赤ちゃんを産んだことがないし、多分、今回の人生では産むことはないだろうから、私の命は他の何を生かすためにあるのかしら?(そうそう、去年、ポールとイギリスに帰った時に、ポールの友達のお父さんが亡くなったので、一緒に木を植えて、お父さんの灰を木の周りにまいたことがあったけど、あれは、正しく、命を循環させているという気がして、すごく、すがすがしかった)

毎日、自然からいろんな命をもらって生きているわけだから、せめて、その恩返しとして、森や川や野生動物ができるだけ長く生き延びられるように、私の命を使いたいなあ。

そして、死んだときには、灰を土に埋めてもらって、その上に林檎の木を植えてもらいたい。林檎の木は大きく育って、鳥や他の動物や他の人たちの命の糧になるだろうから。
by lifewithmc | 2007-06-22 06:53 | チリ・パタゴニアの暮らし