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エッセイスト菊池木乃実のブログです。環境活動家の夫、ポール・コールマンと共に南米チリのパタゴニア地方に在住。ホリスティックで持続可能なライフスタイル実践中


by lifewithmc
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自然のダイナミズム

自然のダイナミズム_d0107620_6541557.jpg


11月14日(火)晴れ

祈るカマキリは、まだ花の中にいる。芋虫は、真ん中がへこんで、しおれているようだ。

「死んじゃったのかな」と思っていると、「きっと、蝶になって飛んで行ったんだよ」と、ポールが言う。彼が芋虫を棒で突付くと、芋虫はいとも簡単に地面に落ちた。
「うん。軽かったから、死んだんじゃなくて、飛び立ったんだと思う」と彼。地面に落ちた芋虫を見ると、確かに抜け殻のよう。飛び立つところを見ることはできなかったけれど、無事に蝶になったのなら、よかった。

今日は雲が刷毛ではいたようにきれい。庭のブーゲンビリアが、ものすごい勢いで花を咲かせている。紅色とショッキングピンクの二種類のブーゲンビリア。伸び放題になっているので、2つの木の枝が絡み合い、こんもりとして、大きな籠を逆さにしたようになっている。どうやら、ブーゲンビリアの籠の中には鳥の巣があるようだ。小鳥の鳴き声や、がさがさと動く音をよく聞くし、この間は、私が近寄っていくと、小さな灰色の鳥が驚いて地面から飛び上がり、ブーゲンビリアの茂みの中に飛び込むのを目撃した。まるで、決死の覚悟で海に飛び込むような必死さだったので、ものすごく滑稽だった。「驚かせて、ごめんよ」と、もちろん、鳥さんには謝っておいたけれど。

ブーゲンビリアの花の周りには、今日は、黄色い蝶が何十匹も飛んでいる。昨日の芋虫は、今日はこの蝶の中のどれかなんだろう。毎日、何かが生まれて、何かが死んでいく、自然のダイナミズムは素晴らしい。

ヨガをしている最中に、「このまま、ヨガを続けていくと、どこへたどり着くのかなあ」と漠然と考えていると、「どんどん楽になっていく」という答えが返ってきた。答えはどこから来たのか、自分の中からのようでもあるし、外からのようでもある。
「どんどん面倒臭いトラブルはなくなって、シンプルになっていく」と言葉は続いた。「そして、クリエーションへ向かっていく。クリエーションの泉は尽きない。自分のしたいこと、することが、全体のためになっていく」
この答えはとても気に入った。「どんどん楽になって、クリエーションへ向かう」というのは、とってもいい感じ。

この、「一気にわかる」というのが、もしかしたら、「悟る」ということなのかもしれないけれども、とにかく、普通の状態で理解をするのとは、全く次元が違って、インフォメーションが瞬時にやってきて瞬時に「全てを理解する」という感じ。普通、私たちは何かを理解するときに、理屈とか説明とか理由とかがあって、一つずつ、線状に理解していくのだけれど、この、メディテーション中に一気にわかるというのは、理屈とか説明とか理由とかが、一切なく、ただ、脳が全体の映像を立体的に一気に捉えるという感じなのだ。

もちろん、メディテーションしていなくても、「はっと気づく」こととか、「なぜだかわからないけど、わかっちゃった」みたいなことは、あるけれども、メディテーションしているときの「一気にわかる」内容というのが、とにかく、自分の経験や知識からは、引き出し不可能な情報なので、「一気にわかった」後に、ものすごく驚くのだった。

ヨガの後、今日からメディテーションをすることにする。エドガー・ケイシーの若返り法の本(原題:Edgar Cayce’s Approach to Rejuvenation of the Body By John Van Auken and the Editors of the A.R.E.)を読んでいたら、「長年、メディテーションをして、全く効果が得られなかった人でも、この方法を試すと必ず宇宙意識(神の意識)を経験する」という素晴らしいメディテーション法というのがあった。メディテーションは、若返りの秘訣らしい。「これは、やってみないと!!」と、早速、試してみた。それは、Magical Silence(マジカル・サイレンス)という、こんな方法。

1.リラックスして身体を楽にして座り、目を閉じ、静かに自然に鼻から呼吸する。
2.心の中で「Be Still」と言いながら息を吸い、その後、息を吐く。
3.心の中で「Know God」と言いながら息を吸い、その後、息を吐く。
4.何も言わず、息を吸い、息を吐く。
5.そのとき、心が静かで、思考が停止していたら、思考が停止している限り、自然に呼吸を続ける。
6.心がざわつき始め、頭の中に思考が湧いてきたら、再び、「Be Stillで呼吸」→「Know Godで呼吸」→「何も言わず呼吸」を繰り返す。

本によると、この「心が静かで、思考が停止している間」というのが、大切で、ケイシーはこれを「Magical Silence(マジカル・サイレンス)」と呼んだのだそうだ。この、マジカル・サイレンスの間に、宇宙意識や神の意識を体験するらしい。

やってみると、何回か、「Be Stillで呼吸」→「Know Godで呼吸」→「何も言わず呼吸」を繰り返しているうちに、頭に言葉が浮かばなくなり、ただただ、呼吸を続けるだけの状態になった。なんとなく、深いメディテーション状態に入っているような感じで、身体が重くなった。

メディテーションを20分か30分ぐらい続けていると、とてもリラックスして、頭もすっきりしたような気がした。若返り効果も期待して、「マジカル・サイレンス」を続けることにする。

夕方、散歩をしていると、ものすごい勢いで鳥の群れが南へ飛んでいき、牛追いのおじさんが、大声で牛を追いつつ、家路を急ぐ。なぜだろう、と思っていると、一転にわかにかき曇り、雷がゴロゴロ鳴り出した。
「お、来たね」途中で薪にちょうどいい木を二本、見つけたので、かなり重いけれども、担いで帰る。稲光が西の空に光り始め、大粒の雨が、ぽつり、ぽつりと降り出した。
「急げ、急げ」
息を荒げながら、薪を担いで玄関の軒下に着くと、ちょうど、土砂降りになった。
黄色い稲光、轟く雷、土砂降りの雨。花に水。よかった。
by lifewithmc | 2007-03-24 06:54 | メキシコ・山の暮らし