孤独な羊
2013年 07月 28日
うちのお隣さんは、羊の農家です。
朝、起きると、フェンスの向こうに、50頭ぐらいの羊が一列になって、ご出勤する風景が。
歩いて、食べて、歩いて、食べて、時々、メーメーと鳴いて・・・という一日が始まるのです。
群れには、ボスがいるようで、どこへ行くかは、先頭の羊がそれなりに決めているようですが、必ず、いつも、置いてきぼりになる羊がいます。
メー、メー!!!!!
激しく仲間を探して鳴く羊。
貪欲に、むしゃむしゃと、立ち止まって草を食べていて、はた!と顔を上げたら、誰もいなかった!!ということらしいのですが、迷子になった子供みたいに、恐怖の表情を浮かべています。
メエー、メエー!!!!!
しばらく鳴いても、誰からも返事が返ってこないと、悲痛な声で鳴き始めます。
あっちかな、こっちかな・・・と、草原をうろうろ・・・
羊たちが行く場所は、丘がいくつもあったり、木が茂っていたりして、見通しが悪く、ちょっと油断すると、みんながどこへ行ったか、わからなくなってしまうのです。
「あっち、あっち!!」と羊に向かって叫んでみるものの、羊は、私の顔をじっと見つめて、「理解不能」という顔をするばかり。
すると、メエーーーーーーー?(どこーーーー?)と、はるか彼方から、群れの一匹が呼ぶ声がして、羊は、一目散に、そちらの声の方へ走って行きます。
そんなことが、ほぼ、毎日起こります。
それが、生まればかりの子羊だったりすると、さらに大変!
お母さんが、狂ったように、メエーーーーーーー?メエーーーーーーー?と鳴きながら、うろうろ、子羊を探し、子羊も、メエーーーーーーー?メエーーーーーーー?と恐怖におののいた声で母親を探します。子羊のその声が、人間の赤ちゃんにそっくりなんです!
引っ越してきた頃は、人間の赤ちゃんが泣いているのかと思って、びっくりしました。
そんな風に、ひとりぼっちになると、狂ったように泣き始める羊ですが・・・
ある日のこと、ひとり(一匹?)静かに、毎日、ひとりぼっちで草を食べている羊がいることに気づきました。
よく見ると、足を引きずっています。子供の頃に怪我をして、うまく歩けなくなったのかもしれません。
群れについていけないので、ひとりで、一日を過ごすようになったのでしょう。
心なしか、毛並みも悪く、泥だらけ・・・仲間はずれにされているという感じ・・・
でも、他の羊は、私が近づくと、さあーーーーっと、逃げていってしまうのに、この羊は、近寄っても逃げません。じっと私を見て、「あ、人間か」という顔をして、草を食べ続けるのです。
群れから離れたから、群れの外にいる生き物たちを恐れなくなったのかもしれないですね。
この、泥んこだらけの、びっこの羊が、妙に気になって、愛着が湧くようになりました。
夕方、羊の群れは、ぞろぞろと、一列になって、お隣りの納屋へ向かって帰って行きます。
後ろからついて行く羊たちは、前を歩く羊のお尻を見つめながら・・・
時々、立ち止まって名残惜しく草を食べている羊も、みんなに追い越されると、「やばい!」と顔を上げて、すたすたと早足で帰って行きます。
さて、孤独な羊は、どうやって、夕方の帰宅時間を知るんだろう?
太陽の傾き加減?
他の羊が帰ってくる気配???
と思っていると、ちょうど、ある日の夕方、薪を運んでいるときに、孤独な羊を見かけました。
しばし、立ち止まって、観察していると、ワンワン!!!っと、お隣の犬が羊に近づいてきました。
犬は、ワンワンと吠えながら、孤独な羊の周りを ぐるぐる と何回か回り、お尻を鼻でぐいぐい、押すような感じで、羊を納屋の方角に向けます。
ワンワン!(前進!)
羊は、ちょっと、いやそうな感じで、ものすごく、億劫そうに、足を引きずりながら、そちらの方向へ歩き始めます。
ワンワン!(急いで!!)
犬は、羊の後ろからついて歩き、お尻のほうから吠え立てて、羊を急かせます。
羊は、ちょっと、不機嫌そうに(お尻から吠えるのはやめてよ)と言いたげに、何度も、犬から逃げようとしますが、犬は、しつこく、羊を納屋へと追い立てます。
こうして、孤独な羊は、犬に追い立てられて、とぼとぼと、帰って行ったのでした。
羊にも、いろんな人生がありますね。
私だったら、群れについていくよりは、孤独でも勝手気ままに草を食べているほうがいいなあ~。
夕方、犬に急き立てられて、おうちに帰らなければならないとしても・・・ね。
朝、起きると、フェンスの向こうに、50頭ぐらいの羊が一列になって、ご出勤する風景が。
歩いて、食べて、歩いて、食べて、時々、メーメーと鳴いて・・・という一日が始まるのです。
群れには、ボスがいるようで、どこへ行くかは、先頭の羊がそれなりに決めているようですが、必ず、いつも、置いてきぼりになる羊がいます。
メー、メー!!!!!
激しく仲間を探して鳴く羊。
貪欲に、むしゃむしゃと、立ち止まって草を食べていて、はた!と顔を上げたら、誰もいなかった!!ということらしいのですが、迷子になった子供みたいに、恐怖の表情を浮かべています。
メエー、メエー!!!!!
しばらく鳴いても、誰からも返事が返ってこないと、悲痛な声で鳴き始めます。
あっちかな、こっちかな・・・と、草原をうろうろ・・・
羊たちが行く場所は、丘がいくつもあったり、木が茂っていたりして、見通しが悪く、ちょっと油断すると、みんながどこへ行ったか、わからなくなってしまうのです。
「あっち、あっち!!」と羊に向かって叫んでみるものの、羊は、私の顔をじっと見つめて、「理解不能」という顔をするばかり。
すると、メエーーーーーーー?(どこーーーー?)と、はるか彼方から、群れの一匹が呼ぶ声がして、羊は、一目散に、そちらの声の方へ走って行きます。
そんなことが、ほぼ、毎日起こります。
それが、生まればかりの子羊だったりすると、さらに大変!
お母さんが、狂ったように、メエーーーーーーー?メエーーーーーーー?と鳴きながら、うろうろ、子羊を探し、子羊も、メエーーーーーーー?メエーーーーーーー?と恐怖におののいた声で母親を探します。子羊のその声が、人間の赤ちゃんにそっくりなんです!
引っ越してきた頃は、人間の赤ちゃんが泣いているのかと思って、びっくりしました。
そんな風に、ひとりぼっちになると、狂ったように泣き始める羊ですが・・・
ある日のこと、ひとり(一匹?)静かに、毎日、ひとりぼっちで草を食べている羊がいることに気づきました。
よく見ると、足を引きずっています。子供の頃に怪我をして、うまく歩けなくなったのかもしれません。
群れについていけないので、ひとりで、一日を過ごすようになったのでしょう。
心なしか、毛並みも悪く、泥だらけ・・・仲間はずれにされているという感じ・・・
でも、他の羊は、私が近づくと、さあーーーーっと、逃げていってしまうのに、この羊は、近寄っても逃げません。じっと私を見て、「あ、人間か」という顔をして、草を食べ続けるのです。
群れから離れたから、群れの外にいる生き物たちを恐れなくなったのかもしれないですね。
この、泥んこだらけの、びっこの羊が、妙に気になって、愛着が湧くようになりました。
夕方、羊の群れは、ぞろぞろと、一列になって、お隣りの納屋へ向かって帰って行きます。
後ろからついて行く羊たちは、前を歩く羊のお尻を見つめながら・・・
時々、立ち止まって名残惜しく草を食べている羊も、みんなに追い越されると、「やばい!」と顔を上げて、すたすたと早足で帰って行きます。
さて、孤独な羊は、どうやって、夕方の帰宅時間を知るんだろう?
太陽の傾き加減?
他の羊が帰ってくる気配???
と思っていると、ちょうど、ある日の夕方、薪を運んでいるときに、孤独な羊を見かけました。
しばし、立ち止まって、観察していると、ワンワン!!!っと、お隣の犬が羊に近づいてきました。
犬は、ワンワンと吠えながら、孤独な羊の周りを ぐるぐる と何回か回り、お尻を鼻でぐいぐい、押すような感じで、羊を納屋の方角に向けます。
ワンワン!(前進!)
羊は、ちょっと、いやそうな感じで、ものすごく、億劫そうに、足を引きずりながら、そちらの方向へ歩き始めます。
ワンワン!(急いで!!)
犬は、羊の後ろからついて歩き、お尻のほうから吠え立てて、羊を急かせます。
羊は、ちょっと、不機嫌そうに(お尻から吠えるのはやめてよ)と言いたげに、何度も、犬から逃げようとしますが、犬は、しつこく、羊を納屋へと追い立てます。
こうして、孤独な羊は、犬に追い立てられて、とぼとぼと、帰って行ったのでした。
羊にも、いろんな人生がありますね。
私だったら、群れについていくよりは、孤独でも勝手気ままに草を食べているほうがいいなあ~。
夕方、犬に急き立てられて、おうちに帰らなければならないとしても・・・ね。
by lifewithmc
| 2013-07-28 16:06
| チリ・パタゴニアの暮らし